研究課題/領域番号 |
08455240
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
宗宮 功 京都大学, 工学研究科, 教授 (60025947)
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研究分担者 |
西村 文武 京都大学, 工学研究科, 助手 (60283636)
宮田 純 京都大学, 工学研究科, 助手 (80273481)
津野 洋 京都大学, 工学部, 教授 (40026315)
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キーワード | 促進酸化プロセス(AOP) / 難分解性有機物 / オゾン |
研究概要 |
本年度は、生物難分解性有機物の例として自然界に、特に水道水源中に広く存在が見受けられるフミン酸を取り上げ、これの促進酸化プロセスに関する基礎的情報を文献より収集するとともに、実験室規模の反応器を作成し、オゾン単独処理処理およびオゾン紫外線併用処理での各々の反応特性並びに反応機構について検討するとともに、促進酸化処理を行うことの効果について検討した。 オゾン単独処理に関して、挿入オゾン別におよびフミン酸所期濃度別にオゾン単独処理実験(脱色実験、無機化実験)を行ない、この反応はフミン酸の原型(色度成分)の濃度に関するMichaelis-Menten型の式で表現が可能なこと、またその反応速度定数は単位時間に送入するオゾン量に、半飽和定数はフミン酸初期濃度に比例することを明らかにした。しかしTOCは43%以上は無機化されないことも示した。これに対してオゾン-紫外線併用法では、色度成分は紫外線強度に関係なく除去されるが、紫外線を併用することにより、紫外線強度4.7W以上ではTOCを95%以上分解されることを実験結果として得た。また、オゾン単独処理後ではpHは低下したままであるが、紫外線を併用することにより処理水のpHは一度低下するもののその後に回復することも明らかにした。これらの結果よりオゾン単独処理ではフミン酸は有機酸までは酸化されるもののそれ以上の酸化分解は行われないこと、促進酸化法により有機酸の分解までなされることを示し、反応の動力学的特性を明らかにした。また紫外線を併用することにより、オゾンの消費率が90%と高く維持されることを示し、促進酸化プロセスの効率性についても明らかにした。
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