研究課題/領域番号 |
08455243
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
松藤 康司 福岡大学, 工学部, 教授 (40078663)
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研究分担者 |
田中 綾子 福岡大学, 工学部, 助手 (10131830)
柳瀬 龍二 福岡大学, 工学部, 助手 (20131849)
島岡 隆行 福岡大学, 工学部, 助教授 (80202109)
花嶋 正孝 福岡大学, 工学部, 教授 (70078624)
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キーワード | 特別管理廃棄物 / 埋立地 / 埋立構造 / 浸出水 / 変異原 / 木炭 / バイオアッセイ / 環境微量汚染物質 |
研究概要 |
今年度は、焼却残渣中の有害物質の埋立地における低減化と浸出水処理施設での除去方法について検討した。前者に関しては、埋立構造及び覆土材の違いについて調査した。その結果、生物毒性物質を表わす変異原物質の低減化は、埋立構造として好気性構造を採用する事によって達成され、更に、覆土材に吸着能を有する木炭類(特に、高温焼成木炭)を併用すると、その効果が高まる事がわかった。また、焼却残渣中の有害化学物質として注目されているダイオキシン類についても、木炭類を覆土材として用いる事によって、浸出水中へのそれらの流出を、現在覆土として用いられている山土の1/2に抑制できる事がわかった。同時に、各種覆土材についてダイオキシンの分解が期待できるカビ類の生育特性を調査した結果、木炭類が山土に比べて生育し易く、特に、カビ類の栄養源となる有機物を含有する廃棄物と混合して埋め立てたり、浸出水を循環する事により、生育は促進される事が明らかになった。今年度の実験では、カビ類によるダイオキシン類の分解は確認できなかったが、別に行なったフタル酸エステル類の木炭類による吸着・分解実験において、フタル酸エステル類は木炭に吸着された後、木炭に集積されたフタル酸エステル分解菌によって約1ヶ月で分解された事から、木炭類を用いる事によってダイオキシン類の分解も今後徐々に進行するものと考えられる。一方、浸出水処理施設における除去に関しては、対象とする有害化学物質のほとんどが難分解性有機物であるため、現行の生物処理条件での分解は難しく、濾過・吸着等の物理化学処理での効果が大きかった。また、ダイオキシン類の分解方法として注目されている紫外線・オゾン併用処理により、変異原物質の生成が認められる場合があった事から、複合処理方式の組合わせによる評価を行ない、総合的な検討が必要である事が示唆された。
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