研究課題/領域番号 |
08455243
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
松藤 康司 福岡大学, 工学部, 教授 (40078663)
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研究分担者 |
田中 綾子 福岡大学, 工学部, 助手 (10131830)
柳瀬 龍二 福岡大学, 工学部, 助手 (20131849)
島岡 隆行 福岡大学, 工学部, 助教授 (80202109)
花嶋 正孝 福岡大学, 工学部, 教授 (70078624)
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キーワード | 特別管理廃棄物 / 理立地 / 活性化覆土 / 循環式準好気性理立構造 / 変異原性 / フタル酸ジブチル / ダイオキシン類 / 浸出水 |
研究概要 |
本年度は最終年であるため、これまでの実験結果に基づいて特別管理廃棄物の埋立特性と浸出水水質の特性を今後問題となる未規制物質の視点から整理し、それらに対する安全性評価手法と制御するための新しい埋立工法の提案を行なうことを目的として検討を行なった。得られた結果をまとめると以下の通りである。 (1) 廃木材製木炭を用いた活性化覆土において、ダイオキシン類は29日間で72%吸着された。活性化覆土中に吸着されたダイオキシン類の分解量は、現在分析中である。 (2) 活性化覆土総におけるフタル酸ジブチルの分解は、それ以外の有機物が存在するとフタル酸ジブチルのみの場合に比べて若干遅れる。つまり、フタル酸ジブチルの分解は優先的に起きない。この傾向は、覆土材に土を用いた場合にも同様に認められた。 (3) 活性化覆土層及び土層において、フタル酸ジブチル分解菌はNB菌とほぼ同数生息していることから、フタル酸ジブチル分解菌は環境中に広範に生息している細菌群である。 (4) フタル酸ジブチルの分解が活発であった活性化覆土層では、溶解性炭酸量が増加したことから、フタル酸ジブチルは最終的に炭酸にまで分解される。 (5) 焼却残渣の埋立地から流出する変異原物質の主要成分は、多環芳香族炭化水素のニトロ誘導体である。 (6) 変異原性を示す多環芳香族炭化水素ニトロ誘導体の生成は、廃棄物中に含まれる金属類を触媒とした硝酸性窒素の化学的還元反応によって起きるため、多量の金属類を含有する焼却残渣主体の埋立地において生じ易い。 (7) 特別管理廃棄物の適正管理手法として、活性化覆土を用いた循環式準好気性埋立構造は、安全性からも支持できる。
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