研究概要 |
平成8年度は,既に保有している名古屋地盤図の標準貫入試験データベースに加え、地層境界の等高線のディジタイジング及びデータベース化,PS検層データの収集,未公開の地盤データベースの収集並びにデータベース化を行った.また,従来より構築中の地震防災GISを整備拡充し,これらの地盤データベースに基づいて名古屋市内全域の地層断面を推定するシステムを構築した.この際に,有限要素法の自動三角形要素分割手法を準用した地層境界深さ推定のための補間ルーチンを利用した.また,収集したPS検層データと標準貫入試験データベースとの回帰分析を行い,任意地点での速度構造を推定する手法を確立した.これらのデータは,地層オブジェクト,ボーリングオブジェクト,などといった形でオブジェクト化した. 一方,市内の小学校を対象として常時微動実測を実施した.対象とする実測の数が膨大となるので,平成8年度はが耐震診断を実施した43校の小学校について常時微動実測を行った.1秒計及び5秒計による微動実測記録から水平・上下スペクトルなどを利用して,短周期とやや長周期の地盤の卓越振動数を推定した.さらに,推定結果を上記データベースを用いて当該地盤直近のボーリングデータから推定した卓越振動数と比較し,地盤モデルによる説明の可能性を検討した.
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