研究課題/領域番号 |
08455256
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
藤井 栄 京都大学, 工学研究科, 助教授 (70144334)
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研究分担者 |
佐藤 裕一 京都大学, 工学研究科, 助手 (20293889)
岸本 一蔵 大阪大学, 工学部, 助手 (40234215)
近藤 吾郎 千葉大学, 工学部, 助教授 (30195896)
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キーワード | 鉄筋コンクリート / 柱・梁接合部 / せん断強度 / 地震応答 / 履歴特性 / 高強度鉄筋 / データベース / 塑性率 |
研究概要 |
本年度に得られた研究成果は以下の通りである。 1.十字型柱・梁接合部のせん断強度の統計的分析 既往の内外の柱・梁接合部に関する試験体332体のデータベースを作成し、接合部のせん断強度に及ぼす種々の要因について分析した。この結果、接合部せん断強度はコンクリート強度の0.712乗に比例する式で表現できること、柱軸力やせん断補強筋量は強度に対して二次的な影響しか持たないことが確認された。 2.十字型柱・梁接合部を有する単位架構の変形性能に関する統計的分析 上記1で収集した実験データベースを用いて、架構としての変形性能と接合部のせん断入力レベル、各種影響因子の効果を分析した。架構としての靱性能(塑性率)を接合部のせん断余裕度の関数で表わして架構の変形能に応じた接合部せん断設計法を提案した。 3.架構の履歴特性が地震応答に及ぼす影響に関する解析 接合部のせん断、付着劣化が架構の履歴特性に及ぼす影響を考察し、種々の履歴特性に対する1質点系非線形地震応答解析を実施した。解析の結果、スリップ型履歴特性の許容される範囲について北山による提案の妥当性を確認したが、より実状に近い履歴特性モデル化の必要性、入力地震波の特性との関係について、今後検討を要することを指摘した。 4.高強度鉄筋を用いた骨組の接合部の耐力と変形性能の改善に関する実験 高強度コンクリート,高強度鉄筋を用いた架構では、接合部のせん入力、付着条件の劣化が必然の問題であり、簡易な添え筋によるヒンジ移動効果によって接合部のせん断劣化、付着劣化制御が可能であることを実験的に検証した。 当初の解析的な検討を主とする計画から一部変更して、より具体的な設計資料を得るための研究を付加した。昨年度、および今年度の研究成果をもとに接合部のせん断、付着、定着設計の基本的な要件を提示した。
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