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1996 年度 実績報告書

地理情報システムを利用した都市建築物の地震被害分布即時評価法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 08455260
研究種目

基盤研究(B)

研究機関京都大学

研究代表者

岩井 哲  京都大学, 防災研究所, 助手 (60184850)

研究分担者 北原 昭男  京都大学, 防災研究所, 助手 (00195273)
赤松 純平  京都大学, 防災研究所, 助教授 (10027279)
亀田 弘行  京都大学, 防災研究所, 教授 (80025949)
キーワード地理情報システム / 地震被害 / 建築物 / 都市基盤施設 / ライフライン / マイクロゾーニング / 地震危険度 / 早期評価
研究概要

建物や都市基盤施設の地震被害分布をGIS(地理情報システム)上に展開して,即時評価を行うことを目指し,兵庫県南部地震で被害を受けた西宮・宝塚・芦屋の各市域を対象として,震災に関する多様なデータを収集し,多元的な分析を行った。得られた主な成果は次の通りである。
(1)災害評価のためのGISの概念の構成と,GISに導入しておくべきデータベースの整備ならびに可視化を行った。扱ったデータは,地盤変状や地震動などのハザードに関わるデータ,地形・地質条件など環境条件に関わるデータ,家屋被害,ライフライン被害など物理的な被害に関わるデータ,避難所などの緊急対応に関するデータ,被災家屋撤去・復興の経過などである。これらは,いずれも面的な広がりをもって分析され,物理的な災害事象の時空間的特性の定量的把握と,機能的復旧過程や緊急対応過程との関連の把握などに用いた。
(2)都市地盤のマイクロゾーニングのための地盤構造調査資料の収集・解析を行った。兵庫県南部地震による神戸〜阪神間の「震災の帯」は,その東部である西宮市付近で走向が転じたり,パッチ状に分かれたりする。都市地盤のマイクロゾーニングの観点からこの原因を究明するために,脈動(長周期微動)観測と重力細密測定を実施して,六甲山系東部の甲陽断層周辺の基盤岩構造を求めた。この結果,基盤岩は甲陽断層に伴い2段の逆断層として約800m沈降しており,落差200mの芦屋断層を併合して西に走向を転じながら神戸市域に延びて盆地境界を形成していることが明らかになった。この甲陽断層は南西方向延長に分岐して市街地下に伸びていることも示唆された。
(3)都市災害情報の効果的な現地収集方法論の実現へ向けて,ノートパソコンとモ-ビルGPSセンサーを導入した移動型コンピュータによる被害情報入力装置の利用法の開発を行うため,機器の整備,ならびに適用の概念構成を行った。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] 岩井 哲・他3名: "1995年兵庫県南部地震による西宮市の都市施設被害のGISデータベース化と多重分析" GIS-理論と応用. 4・2. 63-73 (1996)

  • [文献書誌] Iwai,S.et al.: "GIS Application to Damage Data Management on Building and Urban Facilities in the January 17,1995 Hyogoken-Nambu Earthquake" Proc.11th World Con.on Earthq.Eng.,Acapulco. CD-ROM. Paper No.851 (1996)

  • [文献書誌] 亀田弘行・他2名: "災害時の情報マネジメントのためのGIS利用手法の検討" 国土地理院『GISにおける空中写真情報等の利用技術に関する基礎的調査研究作業』国土地理院技術資料. C・1. 94-138 (1996)

  • [文献書誌] Akamatsu,J.et al.: "Effects of Irregular Bedrock Configuration in A Sedimentary Basin on Ground Vibration Characteristics--Possible Cause of Damage Distribution of The 1995 Hanshin-Awaji Great Earthquake Disaster--" Proc.11th World Con.on Earthq.Eng.,Acapulco. CD-ROM. Paper No.1655 (1996)

  • [文献書誌] 赤松純平・他: "脈動及び重力異常から推定される甲陽断層周辺の基盤構造" 第6回環境地質学シンポジウム論文集. 6. 87-92 (1996)

  • [文献書誌] 北原昭男・他2名: "1995年兵庫県南部地震による宝塚・芦屋における建物被害の分布特性" 京都大学防災研究所年報. 39B-1. 51-65 (1996)

  • [文献書誌] 赤松純平(分担執筆): "阪神淡路大震災-都市直下型地震と地質環境特性(基盤構造と被害)" 東海大学出版会, 305 (1996)

  • [文献書誌] Akamatsu,J.et al.(分担執筆): "Active Fault and Earthquake-Proof Design (Bedrock structure around faults and its relation to earthquake disaster)" Elsevier(in press), (1997)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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