研究課題/領域番号 |
08455264
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
谷池 義人 大阪市立大学, 工学部, 教授 (00111980)
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研究分担者 |
西村 宏昭 (財)日本建築総合試験所, 室長
岡南 博夫 大阪府立工業高等専門学校, 建設工学科, 教授 (20111924)
谷口 徹郎 大阪市立大学, 工学部, 助手 (30231418)
木内 龍彦 大阪市立大学, 工学部, 講師 (30112527)
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キーワード | POD解析 / 淀み点 / 円錐渦 / スイッチング / 可視化風洞実験 / 風圧測定実験 |
研究概要 |
立方体建物の斜め45°から風が当たるとき、屋根面上に互いに逆の回転をもつ一対の円錐状の渦が形成され、局所的に強い負圧の生じる場合のあることが報告されている。平成8年度に行った可視化実験により、ある屋根勾配の場合には、この渦は、一対として存在するのではなく、おおむね交互にどちらか一方に存在する、いわゆるスイッチングという現象を起こしていることを明らかにした。 本年度は、壁面上にある淀み点と円錐渦の関係を調べるために、風向が屋根面対角線方向からわずかにずれた場合の可視化風洞実験を行った。その結果、屋根面上の円錐渦は、淀み点の存在する側に常時存在することを確認した。次に、屋根面および壁面に計96点の測定孔を設けた模型を用いて、各測定孔に作用する風圧を全点同時測定を行った。得られた結果についてPOD解析(Proper Orthogonal Decomposition)を行い、模型に加わる風圧力の組織的な構造を調べた。その結果、屋根面が水平な場合、壁面と屋根面について、それぞれ逆対称となるモードが約65%の寄与率を示した。このモードは、壁面と屋根面で符号が逆になっている。この結果を、前述の可視化実験結果と合わせて考慮すると、一方の壁面に淀み点が形成されると、それと同じ側に円錐渦が形成される。その結果他方の屋根面風上側稜線から剥離した流れが、円錐渦に吸い込まれることにより流速が増し、円錐渦が形成されていない側の屋根面負圧が大きくなる。このように、屋根面上に形成される円錐渦にスイッチングと壁面上に形成される淀み点の位置が密接に関係していることを明らかにした。今後は、淀み点の位置の変化が円錐渦のスイッチングを引き起こしているのか、あるいはその逆かなどについて研究を進めていく予定である。
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