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1998 年度 実績報告書

人体の温熱生理学特性の把握とそれに基づく室内熱環境設計法の構築

研究課題

研究課題/領域番号 08455267
研究機関京都大学

研究代表者

中村 泰人  京都大学, 工学研究科, 教授 (60025963)

研究分担者 梅宮 典子  京都大学, 工学研究科, 助手 (90263102)
キーワード季節順化 / 基礎代謝量 / 着衣量 / 中立温度 / 皮ふ温 / 鼓膜温 / 外気温 / 平均体温
研究概要

(1) 近年の季節順化の軽視の傾向に対して、地球環境への負荷削減に結びつくところから、敢えて季節順化の熱環境設計への導入の必要性を主張するために、その第一歩として、人体の季節順化の環境の中立温度への効果を数値的に表現することを目的として、体温調節モデルにおける二節点モデルを基礎として検討を行った。つぎに、温熱生理学特性の年内変動と気温の年内変動との関係を明らかにすることを目的として、実験的研究を行った。実験では、1年を通じて同一の熱環境に対する温熱生理学特性を調べた。
(2) 発汗反応について、つぎの結果が得られた。l)発汗発現閾値に季節順化があるとみなすことができる。2)発汗反応の季節変化特性は、発汗発現閾値体温の季節順化によって引き起こされると推測される。3)発汗反応の季節変化特性は、日平均外気温とほぼ対応させて、4期の段階に分けて理解することができる。4)発汗反応の最大の変化は、第二段階と第三段階、つまり、向暑期と暑熱期の間のある期間に起こっていると考えられる。
(3) 皮膚温と鼓膜温の実測に基づいて不感蒸泄量の年内変動の推論を行い、つぎの結果を得た。1)外殻部の熱コンダクタンスは、向寒期は向暑期より大きいという年間変動を示した。2)夏期に冗進した皮膚での蒸発能力、冬季に低下した皮膚での蒸発能力が、ともにその後も持続する傾向があると解される。3)放熱量も、向寒期は向暑期より大きいという年間変動を示す。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 中村泰人: "Seasonal Variation of Sweating Responses under Identical Heat Stress" Journal of Physiological Anthropology. 17(5). 167-172 (1998)

  • [文献書誌] 中村泰人: "同一熱環境実験に基づく発汗反応の季節変化" 空気調和衛生工学会近畿支部学術研究発表会論文集. 107-110 (1998)

  • [文献書誌] 中村泰人: "実測に基づく平均体温の季節変動の推論" 空気調和衛生工学会近畿支部学術研究発表会論文集. 99-102 (1998)

  • [文献書誌] 中村泰人: "地球温暖化とこれからの冷暖房" 日本建築学会環境工学委員会熱環境小委員会第28回熱シンポジウム. 119-133 (1998)

  • [文献書誌] 中村泰人: "皮膚温と鼓膜温の実測に基づく不感蒸泄量の年内変動の推論" 日本生気象学会誌. 35(3). S51 (1999)

  • [文献書誌] 梅宮典子: "同一設定温度下の2月と9月における代謝量測定値について" 日本生気象学会誌. 35(3). S52 (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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