研究概要 |
本研究では、『省エネルギー住宅=高断熱・高気密の寒地型住宅』という常識的な見解に対する批判的な見地から,居住者のライフスタイルや意識にとくに注目して、文献調査および、関西地方を中心とした住宅とその居住者を対象としたアンケート調査を行った。具体的には住宅の熱環境調査研究をサーベイして,特に居住者のライフスタイル、意識との関連についての基本的な知見をまとめる作業を行った。また熱環境研究を含めた、住宅でのライフスタイルに関連する文献収集を行っている.また温暖地での省エネルギーの考え方について考察を深めるための文献収集を行っている. アンケート調査については,1.高性能住宅(2×4・パッシブソーラーハウス) 2.現行の省エネルギー基準住宅 3.無断熱の農家・町家 4.RC集合住宅等を対象として訪問によるアンケート調査を行った.有効回答は夏季約150,冬季約100であり,夏季データは入力を完了して集計作業中,冬季データは入力作業中である。また環境問題や省エネルギーに対する意識が高いと思われるパッシブソ-ラハウス居住者については全国的に郵送調査を行った.その結果,冬季約300,夏季約180の有効回答を得た.高断熱・高気密住宅に関しては予備的に住まい方に関するヒアリング調査を行った。居間等の温湿度測定については,今年度は見送り,次年度に夏季・冬季の測定を行うことにした. また,居住者の過ごし方によって人体熱収支が変化し体感温度が変化することに注目して,体感温度を推定するための基礎的な実験を行い,人体と床面との接触面積や形態係数に関するデータを得た.
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