研究概要 |
本研究は,高齢者ディセンタ,ディサービスセンタ,ディケアセンタなどの各施設系(通所型高齢者施設と総称する)を横断的に対象とし,建築計画と都市計画の専門家が協同して,1)高齢者類型毎に適切な処遇・サービスを受けられるための新たな施設類型の再構築・体系化のための分析を行う,2)最小の移動負担,最適な送迎サービスシステムによって各高齢者が必要とするサービスが受益できるネットワークシステムを立案する,などを具体的な目標に置いて行なったものである.昨年度の調査・分析結果を踏まえつつ,今年度新たに行った調査・分析の結果と合わせ,次のような研究成果をとりまとめた. (1)ディケア,ディサービス施設の利用者のADL属性を総合的に分析し,その障害の程度等から主要な類型を見いだす分析を行った. (2)ディケア,ディサービス施設利用の実態を終日観察調査の方法で把握し,プログラムへの受動的,能動的参加などの行動特性の観点から通所型高齢者施設利用者の類型化を行った.以上から,ディサービス,ディケアの施設類型の再編成の可能性について,具体的な考察を行った. (3)多摩ニュータウン,東京世田谷区などの特定地域を対象として取り上げ,将来人口推計に基づいて,利用圏分析,施設選択の可能性,最適施設配置のシミュレーションなどを行った. (4)以上から,通所型高齢者施設の施設配置,ネットワーク計画の在り方について,具体的な可能性の検討を行った.
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