1.大工棟梁、請負人、建設企業に関する基礎資料の収集と整理: 本研究分担者角幸博の北海道戦前期の建設業者に関する予備的調査で、明治前期の請負業者、諸職人98名、明治後期の主要請負業者59名について簡単なカード整理ができているが、本年はこれをもとに10数名を加えて全体をデータベース化し、各データについて補強の作業を行なった。特に旧越後國出身で北海道に進出活躍した大工棟梁について、そのルーツや、主事績の調査を行ない、データを集積することができた。その概要については研究論文として次年度に報告の予定である。 2.建設企業の詳細資料調査: 北海道の近代建設企業を代表する(株)伊藤組について、創業者の渡道からの事績、社業の整備と事業展開について詳細な調査を行ない、通史の形で整理した。なお北海道と密接な関係を有した樺太(サハリン)における主要建設と建設業者遠藤米七に関して現地調査を行ない、基礎的な資料を得ることができた。 3.特定建築工事にかかわる諸業者および諸職人の事例調査: 工事契約、施工実施形態、工事関係者の組織形態などについて、精細に一式記録の残されている北海道大学営繕資料(明治後期の札幌農学校移転新築工事から昭和初期まで)について、資料整理を行なった。
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