研究課題/領域番号 |
08455287
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
深道 和明 東北大学, 工学部, 教授 (00005969)
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研究分担者 |
藤田 麻哉 日本学術振興会, 特別研究員
松原 英一郎 京都大学, 工学部, 助教授 (90173864)
早稲田 嘉夫 東北大学, 素材工学研究所, 教授 (00006058)
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キーワード | 20面体クラスター / キュリー温度 / スピン波分散係数 / 磁気体積効果 / 圧力効果 / 強い強磁性 / 弱い強磁性 |
研究概要 |
Co,Mn,Crなどの3d遷移金属と希土類金属であるLaで構成されるNaZn_<13>型の20面体クラスターで構成される合金の磁性と構造を研究し、結晶およびアモルファス合金に関して以下のことが明らかになった。 A)結晶相 La(Co_<1-x>Mn_x)_<13>およびLa(Co_<1-x>Cr_x)_<13>の2つの合金系で20面体構造はどの範囲まで保持されるかを決定するために、購入した赤外線イメージ炉により入念に熱処理してX線回折により実験した。その結果、前者ではX=0.25後者ではX=0.20である事が確認された。 B)アモルファス相 上記の2つの合金系でアモルファス状態でも20面体クラスターが壊れずに存在するかどうかを詳しいX線構造解析した結果、前者においてはX=0.25以上ではクラスターが壊れ始めるが、後者においてはX=0.30までもクラスターを保持する事が明らかになった。 これらの差は置換元素であるMnとCrの原子径の差によるものと思われる。 これら2つの合金の結晶およびアモルファス状態の磁気的性質の結果、置換量が少ないところでは、強い強磁性の性質を示し、スピン波分散係数とキュリー温度の比はFe系合金の値よりも大きい事が確認された。 C)Fe系合金 一方、同様に20面体クラスターを有する弱い強磁性体のLa(Fe_<1-x>Al_x)_<13>アモルファス合金の磁気弾性効果を測定した結果、非常に大きなキュリー温度の圧力効果が得られた。これらの結果は、スピンの揺らぎの理論で定性的に説明される。
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