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1997 年度 実績報告書

組成変動を伴う規則-不規則転移過程のIKL-ALCHEMI-EDX法による解析

研究課題

研究課題/領域番号 08455293
研究機関九州大学

研究代表者

沖 憲典  九州大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (70037860)

研究分担者 波多 聰  九州大学, 大学院・総合理工学研究科, 助手 (60264107)
板倉 賢  九州大学, 大学院・総合理工学研究科, 助手 (20203078)
桑野 範之  九州大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授 (50038022)
キーワードLennard-Jonesポテンシャル / クラスター変分法 / Ti-Al-Mo合金 / L1_0規則化 / IKL-ALCHEMI-EDX法 / B2規則化 / 電子回折 / 動力学的回折効果
研究概要

本年度は以下の3つの研究成果を得た。第1に、Ti-Al-Mo合金のL1_0規則状態を原子間相互作用の観点から考察した。Lennard-Jonesポテンシャルを用いたクラスター変分法(CVM)による解析[Abe et al.(1993)]では、Ti-richあるいはAl-richいずれの組成においてもMoはTiと規則化する傾向を示す結果が得られている。一方、本研究で行ったIKL-ALCHEMI-EDX法による実験では、MoがTi、Alのいずれかと優先的に規則化または相分離する傾向は認められず、CVMの解析結果とは一致しない。本合金のL1_0規則状態を理論面から理解するには、CVMで用いた原子間ポテンシャルやポテンシャルパラメータを、実験結果と対応させながらより厳密化していく必要がある。第2に、規則度の測定精度に関する検討を行った。Ti-Al-Mo合金における規則格子反射の結晶構造因子の値はかなり小さく、従来のIKL法では規則度の測定誤差が大きくなってしまう。本問題の改善策として、電子回折強度測定による方法や等厚干渉縞の間隔測定による方法を採り上げ、これらをIKL法と併用することで規則度の測定精度が向上することを明らかにした。第3に、Ti-Al系合金におけるB2規則状態の定量的解析の可能性について検討した。Ti-Al系合金のB2規則格子反射は、X線回折ではほとんど観測されないのに対して、電子回折では明瞭に現れることがある。多波動力学的回折理論を用いた回折強度計算の結果、Ti-Al系合金のB2規則格子反射の強度は、電子の動力学的回折効果のために運動学的回折近似から予想されるよりもはるかに大きな値をとることが判明した。本結果は、IKL-ALCHEMI-EDX法を用いればTi-Al系合金のB2規則状態の定量的解析が可能であることを示唆している。電子回折およびALCHEMI実験における動力学的回折効果の影響を定量的に評価していくことが、今後の研究課題である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] S.Hata: "Semi-Quantitative High Resolution Electron Microscopy of Short-Range Ordered Ni_4Mo" Journal of Surface Analysis. 3・2. 401-404 (1997)

  • [文献書誌] 沖 憲典: "Ni-Mo合金の規則-不規則変態における新しい構造解析の試み" 日本金属学会会報まてりあ. 36・9. 862-865 (1997)

  • [文献書誌] S.Hata: "Monte Carlo Study of Ordering Processes in fcc-Based Ni-Mo Alloys" Materials Transactions,JIM. 39・1. 133-138 (1998)

  • [文献書誌] S.Matsumura: "Time-Evolution of Long Range Ordering in CuAuPd Ternary Alloys" Materials Transactions,JIM. 39・1. 159-168 (1998)

  • [文献書誌] S.Hata: "Short Range Order and Its Transformation to Long Range Order in Ni_4Mo" Acta Materialia. 46・3. 881-892 (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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