研究課題/領域番号 |
08455321
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
黒田 光太郎 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30161798)
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研究分担者 |
坂 公恭 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90023267)
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キーワード | 透過電子顕微鏡法(TEM) / Ni-水素電池電極 / 水素吸蔵合金 / 微粉化 / 断面TEM観察 / 平面TEM観察 / 分析電子顕微鏡法(AEM) / 集束イオンビーム(FIB)加工 |
研究概要 |
ニッケル基の水素吸蔵合金は水素エネルギーの利用できる材料として、多くの研究が行われてきた。2次電池電極の負極材料に利用される水素吸蔵合金は水素の吸収と放出をくり返すうちに微粉化する問題があり、性能劣化を引き起こす。この微粉化の原因にはいくつかの説があるが、まだ詳細は不明である。本研究においては、透過電子顕微鏡のキャラクタリゼーションにより、微粉化に伴う構造変化を微視的レベルで解明し、その防止対策の指針を得ることを目指している。 急冷凝固後、熱処理を加え、Mg_2NiとMgの2相組織となるMg-Ni系合金試料に水素吸蔵および放出を施した試料を調べた。集束イオンビーム加工によって透過電子顕微鏡観察試料を作製し、分析電子顕微鏡法を駆使して微細構造観察を行った。水素吸蔵・放出を5回くり返した試料では微粉化が顕著で、水素の出入りに伴う歪の影響で粒界における分離が生じたと考えられる。 水素吸蔵合金であるLaNi_5の微粉化機構の基礎的知見を得るためにこの合金の塑性変形挙動を調べた。650°C以下では塑性が全く見られなかったが、650°Cから850°Cではクラックは発生するものの塑性変形の兆しが見られた。これより高温では60%を越える圧縮変形が可能であった。変形試料の微細構造を電子顕微鏡で観察し、変形によって転位や亜粒界が導入されていることが分かった。加工によって多くの転位を含む合金電極では、水素が転位にトラップされやすく、微粉化しやすいと考えられる。 ラーベス相のジルコニウム合金の水素吸蔵性と微細構造の関連についても調べた。転位が多い試料ほど水素吸蔵性が高い傾向が見られた。このことと微粉化の関連について追求する必要がある。
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