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1997 年度 実績報告書

高速X線回折法による変形組織形成過程の解析

研究課題

研究課題/領域番号 08455324
研究機関九州大学

研究代表者

美浦 康宏  九州大学, 工学部, 教授 (80037879)

研究分担者 東田 賢二  九州大学, 工学部, 助教授 (70156561)
キーワード高温変形 / 動的再結晶 / 動的回復 / 応力・歪線図 / 活性化エネルギー / X線回折顕微法
研究概要

4nine-Al単結晶における高温圧縮試験から以下の結果を得た。
(1)試験温度:400K〜500K、歪速度:10^<-2>s^<-1>〜10^<-5>s^<-1>において動的再結晶の発現によると考えられる著しい応力変動が認められる。変動は高歪域において次第に収束する。
(2)圧縮軸を<111>、<110>、<100>の3方向とした場合、最初の応力ピークに対応する歪(臨界歪)は<111>において最も小さく、<100>方位では最も大きい。
(3)一定試験温度においては臨界歪速度で第一ピーク出現の臨界歪が最小となる。
(4)第一ピーク応力値に基づいて推定した動的再結晶発現の活性化エネルギーは65kJ/molであり、この値は純Al中の大傾角粒界移動の活性化エネルギーとほぼ一致する。
一方、単一すべり方位の単結晶FCC純金属(4nine-Al,Cu)の高温引張試験及び変形組織のX線回折顕微法による解析によって以下の結果を得た。
(5)応力・歪線図はAlでは定常状態を伴う回復型、Cuでは加工硬化を伴う再結晶型を示し、臨界歪に達すれば応力は急激に落下する。
(6)変形組織はAl,Cu共に主すべり方向に垂直に発達した正負のpolygonization wall(PW)によって分割された小領域から成る。
(7)変形の進行にしたがってPWの間隔は狭くなる。ことにCuではその傾向が著しく、臨界歪に近づくにつれてPWの構造は複雑になり、小領域はさらに細分化し、その形状は乱れてくる。応力落下後の組織には再結晶粒が含まれている。母単結晶と再結晶粒の方位には双晶などの特別な関係はない。
以上の4nine-Alの引張試験と圧縮試験における応力・歪線図の明瞭な相違は、動的な回復及び再結晶の発現が、これまでに指摘されている積層欠陥エネルギーや試料純度のみならず、試験片形状・寸法や試験時の引張・圧縮応力状態に大きく依存することを強く示唆する。

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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