研究課題/領域番号 |
08455344
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
一色 実 東北大学, 素材工学研究所, 教授 (20111247)
|
研究分担者 |
石川 幸雄 東北大学, 素材工学研究所, 助手 (40250823)
三村 耕司 東北大学, 素材工学研究所, 助手 (00091752)
|
キーワード | プラズマ溶解 / 水素プラズマ / 精製 / 高純度金属 / 発光スペクトル / 蒸発 / シミュレーション / 熱伝導 |
研究概要 |
1.微量金属不純物の除去・低減化に対する水素プラズマ溶解の効果を明らかにする目的で、市販品程度の純度(99.5〜99.9%)を有するクロム、チタン、バナジウム、ジルコニウム、ニオブ、タンタルの水素プラズマ溶解を実施した。その結果、溶解金属より蒸気圧が高い不純物は容易に蒸発除去され、極低減化が達成された。したがって、水素プラズマ溶解は、高融点金属の高純度精製にも優れていることが確認された。 2.数学的モデル計算(Navier-Stokesの公式を使用)により、プラズマガスがアルゴンだけの場合とアルゴン+水素(水素プラズマ)の場合とに区別しプラズマ溶解時アーク内の温度と熱流速分布、および被溶解金属の表面及び内部の温度分布を求めた。その結果、水素プラズマの熱伝導度が大きいことから、Arだけの場合に較べ溶解金属の表面温度は確かに上昇するという予測がなされた。しかし、同一出力でArとAr+10%H_2の場合とを比較すると、表面温度の上昇はせいぜい100〜200K程度であり、溶融金属内部の温度差はさらに小さいという計算結果が得られた。 3.したがって、水素プラズマ溶解時の金属不純物の蒸発除去促進に関しては、溶解金属表面及び内部温度の上昇という熱的因子だけでは充分な説明は困難であり、プラズマ高温内の活性水素が関与する化学的因子についても検討する必要があると判断された。
|