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1998 年度 実績報告書

真空吸引脱ガス法による溶融アルミニウムの脱水素に関する速度論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 08455345
研究機関東北大学

研究代表者

平沢 政広  東北大学, 素材工学研究所, 教授 (90126897)

キーワードアルミニウム / 脱水素 / 真空吸引脱ガス法 / 反応速度
研究概要

本年度は,研究実施計画に従い,VSD法を適用した溶融Alの脱水素の実験を行って,VSD法の溶融アルミニウムの脱水素への適用の可能性について明らかにすることを試みた.とくに,VSD法による脱水素速度に及ぼす浸漬管の素材の組成の影響について重点的に検討した.浸漬管の素材としては,昨年度一部の実験を行ったマグネシア,アルミナ,グラファイトのほか,新たに炭化ケイ素を用いた実験をおこなった.炭化ケイ素製の浸漬管では,表面にSiO_2膜を生成させてAl浴との濡れ性を変化させた実験も行った.一連の実験の結果,アルミナ,グラファイト,炭化ケイ素を素材として用いた浸漬管の場合,脱水素速度へのVSD法の効果は認められなかった.一方,マグネシア製浸漬管を用いた実験では,VSD法により,低水素濃度において脱水素速度を増大させる効果が認められた.アルミナおよび表面にSiO_2膜を生成させた炭化ケイ素製の浸漬管を用いた実験では,Al浴と浸漬管の濡れ性が良好であり,一方,グラファイト,表面にSiO_2膜を有しない炭化ケイ素製の浸漬管では,浸漬管とAl浴の濡れ性は低い.マグネシアの場合は,部分的に濡れが生じた部分が存在した.以上の浸漬管とAl浴の濡れ性の関係から,VSD法の効果は,単純に,浴と浸漬管の濡れ性によって変化するものでないことがわかった.このことから,マグネシアの場合にVSD法により脱水素が促進されるのは,溶融Alとマグネシアの界面反応により,浸漬管ー溶融Al界面に存在する酸化皮膜内の水素の移動性が変化し,皮膜内の水素の移動が促進されたことによるものと推定される.したがって,溶融Alの脱水素に対するVSD法の効果を促進するためには,浸漬管表面にMgなどの元素を添加することなどにより,溶融Alと浸漬管の界面におけるAlの酸化皮膜の性質を制御することが必要であると考えられる.

URL: 

公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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