研究課題/領域番号 |
08455351
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
今野 宏卓 山形大学, 工学部, 教授 (70005247)
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研究分担者 |
門叶 秀樹 山形大学, 工学部, 助手 (30272082)
栗山 雅文 山形大学, 工学部, 助教授 (90107178)
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キーワード | 攪拌 / 液液攪拌 / 高粘性滴 / 乳化 / 液液分散 / 後退角付ピッチドタービン |
研究概要 |
攪拌槽における高粘度分散相液の滴径経時変化を知るために、申請者等は実験室レベルの小型槽に関してではあるが、高粘度液滴の攪拌分裂に関する実験的研究を小型ラシュトンタービン翼攪拌槽を用いて行い、最大安定的径の相関式を得た。また母滴1回の分裂によって生成する子滴の数すなわち分裂個数と液粘度の関係についても一応の知見を得、さらに平均的径の径時変化に関しても広い粘度域にわたって適用できる実験相関式を提出している。 以上の成果をさらに一般的なものにするために、本研究においてはディスク有孔型後退角付ピッチドタービン翼を備えた内容量50リットルの実用攪拌槽を用いて液液分散実験を行った。すなわち、申請の実用大型攪拌槽を用い、連続相として蒸留水を分散相として種々の粘度の油を用いて回分式の液液分散実験を行い、分散相液の滴径分布の経時変化を追跡した。小型槽の実験では滴径分布を写真撮影法により求めたが、大型槽では写真上での液滴像の重畳が著しくなるので本法は適用できない。そこで、槽内各所から分散滴をサンプリングし、申請のレーザー回析/散乱式粒度分布測定装置により、滴径分布を迅速に求めた。分散相には、高粘度分散相液としてひまし油を、また高粘度液の基礎となる低粘度分散相液としてケロシンを用いた。以上の実験を攪拌速度および分散相体積分率を種々変えて行った。得られた実験結果が小型攪拌槽に関する先の研究で提出した定常状態における平均滴径の相関式および平均滴径の経時変化の表示式によって良好に表示し得ることがわかった。 今後は、これまでの成果に基づいて滴径経時変化を推算するPopulation balanceを作製し、これを小型実験槽および大型実用槽の双方の測定値で検証する予定である。
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