研究課題/領域番号 |
08455356
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
原田 誠 京都大学, エネルギー理工学研究所, 教授 (90027128)
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研究分担者 |
塩井 章久 京都大学, エネルギー理工学研究所, 助手 (00154162)
足立 基斉 京都大学, エネルギー理工学研究所, 講師 (50027140)
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キーワード | 両親媒性分子 / 分子集合体 / 鋳型機能 / シリカナノ構造 / 高分子バイコンテイニュアス材料 / 超微粒子 / 構造制御 / 2次元配列 |
研究概要 |
次の3分担課題について研究した。1.ナノメゾ細孔材料制御設計:界面活性剤(1本鎖アミン.LA:2本鎖アミン.DDAB)からなる分子集合体系を用い、シリコンエトオキシド(TEOS)の加水分解、縮合によって形成されるシリカ微細構造の形成過程を解明した。LA正ミセル系では、シラノールの部分縮合体がミセル表面を覆うことで、円筒組織が形成され、また、円筒両端に存在する不安定な半球状キャップ部分を介して、円筒長さは縮合の進行につれて増大する。縮合誘起構造には、ミセル界面の親水基とTEOS加水分解物との配位の整合性、ミセル内における炭化水素基の充填が重要である。これらの結果を基にして、単一のナノシリカチューブの合成に始めて成功した。また、DDABからなる円筒状逆ミセル組織は、シリカ加水分解物をその内部水中に取り込み、シリカナノロッドの伸張に寄与する。いずれにせよ、これら界面活性剤分子集合体は、シリカ微細構造形成の鋳型として機能することが分かった。2.高分子バイコンティニュアス材料設計:有機溶媒中に分散した一本の分子集合体棒状組織は、比較的柔軟な構造をもち、その外部の雰囲気の変化に敏感であって、鋳型機能に劣る。しかし、この棒状組織を束ねて、リオトロピック液晶化すると、組織間の立体障害に起因する斥力によって、組織は安定化される。この発想の正当性を示した。すなわち、アエロゾル-OT(AOT)/水系にスチレンを導入して、AOTからなる逆構造の液晶を形成させ、次いで、このスチレンを重合させると、液晶構造の秩序化が一段と進行し、ポリスチレン媒体中にナノサイズの直径をもつ水のバスをもった複合材料の形成が可能になる。3.超分子2次元材料の配列制御:AuやCdSの超微粒子を逆ミセル系で形成させる方法を検討し、粒径の単分散化、粒子の安定化の考え方を提案した。現在、この方法で作製した超微粒子を2次元配列し、その構造を制御するための方法について検討しつつある。
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