研究課題/領域番号 |
08455357
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
駒沢 勲 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (40029476)
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研究分担者 |
平井 隆之 大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (80208800)
久保井 亮一 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (40029567)
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キーワード | 微粒子 / 硫化カドミウム / 硫化亜鉛 / しゅう酸銅 / 逆ミセル / W / O / Wエマルション / 生成機構 |
研究概要 |
1.逆ミセル系におけるナノサイズ超微粒子の生成機構の解析と、生成した超微粒子の利用 異なる反応物質を可溶化した逆ミセル溶液を混合して超微粒子を調製する二液混合法で金属硫化物やハロゲン化銀の超微粒子を調製する場合には、核発生、粒子成長および初期の粒子凝集はミセル内容物の交換に支配されるが、粒子がある程度の粒径まで成長すると凝集速度は複数の粒子を含むミセルの濃度に支配される、という反応機構が統一的に適用できた。金属イオンを可溶化した逆ミセル溶液に硫化水素ガスを吹き込んで反応させる気体注入法を用いた場合には、反応性ガスの有機相への溶解過程が核発生と粒子成長の速度を支配した。ガスの溶解速度、核発生速度、成長速度および凝集速度を考慮したモデルによって粒子生成過程をよくシミュレートできることを明らかにした。さらに、Cd-Zn-S複合超微粒子が気体注入法で簡便に調製でき、高い光触媒活性を示すことを見出した。また、調製したTiO_2超微粒子をそのまま用いて有機相を光触媒酸化する反応が可能であり、逆ミセル系の反応場としての有効性を示した。 2.有機分子を被覆した硫化カドミウム超微粒子の調製 逆ミセル中で調製したCdSにチオールを加えて逆ミセルを破壊し、チオールで表面被覆されたCdS超微粒子を調製する手法について検討し、CdとSのモル比や分散媒の種類が粒子の再分散性に及ぼす影響などを明らかにした。 3.W/O/Wエマルションを用いるサブミクロン微粒子の調製と生成機構の解析 W/O/Wエマルションの外水相から液膜を通して銅イオンを輸送させ、内水相でしゅう酸塩として沈殿させるプロセスについて検討した。W/Oエマルション中のO/A比(水相に対する有機相の体積比)が大きい場合、外水相中におけるエマルションの分散性が向上して銅イオンが分配される内水相の数が大きくなり、これによって内水相ひとつ当たりに生成する一次粒子の数が減少し、より小さい微粒子が生成した。有機液膜中の銅イオンの透過モデルを基本としたモデルにより、粒子生成過程における銅イオンの移動過程をよくシミュレートできることを明らかにした。
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