研究課題/領域番号 |
08455359
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
船津 和守 九州大学, 工学部, 教授 (80037960)
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研究分担者 |
松下 琢 九州大学, 工学部, 助教授 (10209538)
田上 秀一 福井大学, 工学部, 助手 (40274500)
木原 伸一 九州大学, 工学部, 助手 (30284524)
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キーワード | 三次元シミュレーション / 粘弾性流体 / 非ニュートン流体 / 自由表面 / 二軸スクリュ / 異形ダイ / 多層ダイスウェル / 不安定性 |
研究概要 |
三次元複雑形状内流動、自由表面や界面を有する高分子成形加工工程に対し、汎用的に適用できる粘性および粘弾性数値流動解析プログラムを開発、構築することを目的とし、以下の成果を得た。(1)複雑形状である二軸スクリュ押出機内の二条ねじスクリュエレメント、ニ-ディングディスク対する非ニュートン流動解析を実施し、二条ねじスクリュ形状の相違により分散・混練特性に大きな差がみられること、スリーチップニ-ディングディスクが形成する流動場のトレーサー粒子挙動をアニメーション化することにより、実験的可視化では得ることが極めて困難なスクリュの分散特性を表現することが可能となった。来年度は、本プログラムの汎用性をさらに検討するため、様々なスクリュの形状を組み合わせたシミュレーションを実施し、トレーサー粒子の分散特性評価、混練機能評価を行い、スクリュ形状設計の指針を得る。(2)広範囲の三次元粘弾性流動シミュレーションを可能にするため、解析変数を応力、速度成分、圧力に分割し、異方性応力の計算には流線積分法を採用し、更に本研究室で開発したTME法を用いることで、三次元ダイ内粘弾性流動解析が低容量で数百s^<-1>以上の高剪断流動域で実施可能となり、ダイ設計に有益な速度、応力、圧力などの基礎的物理量の得ることができた。来年度は、自由表面を含む三次元粘弾性流動解析を実施し、多種多様な異形ダイ設計に活かす基礎的知見を得る。(3)自由表面および界面位置を決定するルーチンを検討し、壁剪断速度が数十s^<-1>の二重管多層ダイスウェルシミュレーションが可能な二層粘弾性ダイ内外流動解析プログラムを開発した。異種材料の配置によりダイスウェル形状が変化すること、更に、界面に沿った界面上の法線応力差の不釣合い状態がみられ界面不安定性の一因と考えられることなどを示した。来年度は、界面を含む三次元粘弾性多層流動解析を実施し、包み込み現象の解明を行う。
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