研究課題/領域番号 |
08455368
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
広瀬 勉 熊本大学, 工学部, 教授 (40037841)
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研究分担者 |
児玉 昭雄 熊本大学, 工学部, 助手 (30274690)
後藤 元信 熊本大学, 工学部, 助教授 (80170471)
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キーワード | 吸着 / 分離 / 気体混合物 / サイクリックプロセス / ハニカム / PSA / 二酸化炭素 |
研究概要 |
本研究ではサイクリック吸着操作の代表的なものとして温度スイング吸着と圧力スイング吸着を対象に操作原理の最適化と新規流路構成による多成分同時分離に取り組んだ。 ハニカム型吸着剤を用いた回転型温度スイング吸着プロセス ○除湿操作 温度スイング吸着操作では吸着熱および吸着剤熱容量に起因する顕熱移動の除湿性能に及ぼす影響を明確にする必要がある。本研究ではハニカム吸着剤内の温度履歴を測定することにより除湿性能改善の指針を得た。吸着剤によって再生側から吸着側に運び込まれる顕熱と発生する吸着熱は吸着区間初期において空気と熱交換される。よって、この区間にパージゾーンを設置することにより乾燥空気の温度上昇を抑えることができ、より低い湿度の乾燥空気を達成できる。また、吸着剤の吸着容量/熱容量比を向上させることにより最適回転数を低回転側にシフトできる。この結果、熱移動と物質移動速度の差に起因する顕熱移動を抑制できるとの知見を得た。 ○有機溶剤濃縮操作 セラミック繊維紙を用いてハニカムの積層成型を行って熱処理した後、ハイシリカゼオライトを含浸させ、有機溶剤濃縮装置のローターを製作した。実験装置に組み込んだローターについて回転数、再生空気流速、濃縮倍率が有機溶剤除去性能に及ぼす影響を検討した。最適回転数は溶剤種類、処理空気流速などに依存しない無次元式によって決定されることが分かった。また、この装置では10倍の濃縮倍率において90%以上のVOC除去率を示した。 圧力スイング吸着プロセス ○大気中微量成分の濃縮 空気中に微量に含まれるキセノンを対象に濃縮操作を試みた。濃縮部還流と特殊な均圧行程を組み合わせることにより原料/製品流量比にほぼ等しい濃縮効果が確認された。 ○多成分同時分離プロセス 蒸留プロセスにおける中間フィードの概念を圧力スイングプロセスに導入し、多成分の同時分離を目的にした新規プロセスを提案した。実験においてメタン-窒素-二酸化炭素の3成分混合物がそれぞれに濃縮できることを示した。
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