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1997 年度 実績報告書

二酸化炭素の再生利用のためのインテリジェント嫌気発酵プロセスの開発

研究課題

研究課題/領域番号 08455385
研究機関広島大学

研究代表者

西尾 尚道  広島大学, 工学部, 教授 (30034383)

研究分担者 中島田 豊  広島大学, 工学部, 助手 (10281164)
柿薗 俊英  広島大学, 工学部, 助教授 (00214255)
キーワード二酸化炭素 / Acetobacterium sp. / Methanosaeta concilii / ビタミンB12 / メタン発酵 / ホモ酢酸発酵 / 混合培養
研究概要

本研究では、二酸化炭素の有効な再生利用に向けて、絶対嫌気雰囲気の特殊環境に生育する偏性嫌気性細菌が元来有する二酸化炭素の資化能力に着目し、これをエネルギー物質としてのメタンまたは化学原料としての酢酸へと変換させるインテリジェント嫌気発酵システムを開発することを目的とする。この嫌気発酵システムにおいては、有用物質生産能のある優良菌株の増殖特性を解析し、単独培養では増殖阻害を引き起こす生産物を効率的に除去するため、それを有効に資化しうる微生物を加えた新規な混合培養エコシステムを構築するアプローチをとる。本年度(平成9年度)の研究成果を以下に慨述する。第一に、高いビタミンB12含量を有する偏性嫌気性細菌Acetobacterium sp.は、二酸化炭素・メタノールからホモ酢酸発酵を行うが、酢酸生成と、それに伴う培養液のpH低下によって、顕著な増殖阻害を受ける。そこで、酢酸発酵システムに対し、特異的な酢酸資化能を有する糸状性メタン生成細菌Methanosaeta conciliiをセラミック担体へ固定化したうえで擬似的に共生させることにより、二酸化炭素・メタノールからの酢酸発酵を、さらにメタン発酵へと転換する混合微生物による連続培養システムの構築を試みた。酢酸によるpH低下を指標に新鮮培地を添加したところ、メタン菌と組み合わせない単独培養系に比べ、本混合培養系では、高い希釈率を維持できる連続培養系を達成することができた。第二に、二酸化炭素を補基質として利用することから、その取り込みに関して培養液pHの影響を受けると予想されたが、メタノール・二酸化炭素を炭素源にケモスタット連続培養を行い、pH効果を調べた結果、6.7-6.9という非常に限定された範囲において極大値を取ることが明らかになった。さらに、本連続系を用いて、動力学的およびエネルギー論的解析を行い、真の増殖収率および維持常数を求め、菌体を含めたメタノール・二酸化炭素の化学量論的な関係式を求めた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Bainotti,A.E.: "pH Auxostat continuous culture of Acetobacterium sp.coupled with removal of acetate by Methanosaeta concilii" Biotechnology Letters. 19(10). 989-993 (1997)

  • [文献書誌] Bainotti,A.E.: "Kinetics and energetics of Acetobacterium sp.in chemostat culture on methanol-CO_2" Journal of Fermentation and Bioengineering. 85(2). 223-229 (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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