研究課題/領域番号 |
08455398
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
山田 淳 九州大学, 工学部, 教授 (30136551)
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研究分担者 |
新留 康郎 九州大学, 工学部, 助手 (50264081)
米村 弘明 九州大学, 工学部, 講師 (40220769)
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キーワード | 有機超薄膜 / 光エネルギー変換 / 波長変換 / ポルフィリン / ルテニウム錯体 |
研究概要 |
分子レベルの厚みを持ち、精密に構造制御された分子性超薄膜は、革新的な新材料としての期待が大きい。本研究では、水面展開法という新しい超薄膜作成法を活用して、光機能性色素を空間的に配向固定化し、光第二高調波発生(SHG)とその光変調技術の確立、膜を横断する電子輸送システムの実現を目指して研究を行った。その結果を以下にまとめる。 1.デジタルオシロスコープ、分光器、低温バスサ-キュレーター、レコーダーを設備備品として購入し、SHG計測システムを整備した。これにより、測定の高感度・高精度化、試料の温度制御、迅速なデーター処理が可能となった。 2.カチオン型ポルフィリンを担持したポリ塩化ビニル(PVC)超薄膜を水面展開法によって作成し、アニオン型ポルフィリン水溶液に浸すことによってポルフィリン会合体が膜表面に形成されることを確認した。この膜に1064nmのパルスレーザーを照射し、第二高調波の発生を確認した。 3.SHG活性ルテニウム錯体を担持したポリメチルメタクリレート(PMMA)超薄膜を作成し、2枚の膜を空間的に隔てて固定し、両方の膜から発生する高調波の干渉挙動を調べた。さらにこの方法により、膜に取り込まれた色素の絶対配向方向が推定できることを示した。 4.ビオローゲンを担持したPMMA超薄膜をITO電極に固定化し、膜の電子輸送機能について検討した結果、ビオローゲンの酸化還元波が観測されることから膜の電子輸送機能が確認された。 以上のような成果を基に、SHG効率の向上、光-電気エネルギー変換機能の発現を目指す計画である。
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