研究課題/領域番号 |
08455399
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
工業物理化学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
谷口 功 熊本大学, 工学部, 教授 (90112391)
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研究分担者 |
山口 博子 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (60040424)
西山 勝彦 熊本大学, 工学部, 講師 (10202243)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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キーワード | 単結晶電極 / 単分子膜 / チオール / 真空蒸着 / STM / AFM / 電子移動 / シトクロムc / 再構成ミオグロビン |
研究概要 |
真空蒸着法およびフレームアニーリング法で作製した金単結晶面を用いて金属タンパク質の電子移動のための機能界面の本質的な解明を目的として研究を進め、下記の研究成果を得た。 1. 真空蒸着装置の設計・作製と蒸着金表面の原子レベルでの解析: 真空蒸着装置を用いて作製した電極表面について、蒸着条件による単結晶表面状態をSTM/AFM解析および電気化学的解析から明らかにし、表面状態を原子レベルで評価する方法を確立した。 2. 金属タンパク質の電子移動制御のための原子・分子レベルで制御した界面の創製と評価: (1) シトクロムcの電子移動制御機能電極界面の単結晶表面への形成と機能分子の表面構造を高解像度のSTM測定や表面赤外分光測定から分子レベルで解明し、電子移動反応との明確な関連性を明らかにした。 (2) 親水性の機能化酸化インジウム電極を用いてミオグロビンおよびその改変体半人工ミオグロビンの電子移動反応および生物電気化学的な性質を明らかにした。電気化学法を用いて電子移動反応速度を平衡電位で測定した結果から、電子移動反応速度は、中心金属の種類、ヘム部位の軸配位子、電子移動反応前後での中心金属イオンの移動の程度などが大きな影響を及ぼすことが明らかになった。 3. チオール系表面修飾剤の単結晶表面での吸着挙動の解明: 金(111)面上では、チオール系分子の金電極表面上への吸着挙動は約1%程度の極微量共存する硫化物イオンが存在するだけで大きく異なる。この種の複雑さは、チオール系分子の配向構造体が電極表面に形成される速度に由来することや、チオール系分子の電気化学的還元離脱挙動から界面構造を推察することができることを明らかにした。また、単分子膜構造の加工手法も開発した。
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