研究課題/領域番号 |
08455401
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
小平 紘平 北海道大学, 工学部, 教授 (60002002)
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研究分担者 |
樋口 幹雄 北海道大学, 工学部, 助手 (40198990)
高橋 順一 北海道大学, 工学部, 助教授 (40110259)
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キーワード | ルチル単結晶 / 引き下げ法 / 偏光子材料 / ヒーター挿入型FZ法 |
研究概要 |
近年のオプトエレクトロニクス技術の発展にともない、高品質の偏光子材料に対する需要が増大してきてる。ルチル(TiO_2)は、大きい複屈折(0.29)を示し、化学的耐久性にも優れているので、その単結晶は偏光子用材料として光アイソレーター等に実装されてきている。 ルチル単結晶は、操作が比較的容易な集光式浮遊帯溶融法(FZ法)を採用することにより、実用化レベルのものが得られるが、結晶径は、20mm程度が限界であった。本研究においては、従来のFZ法での結晶径の限界を打破するために、ヒーター挿入型FZ法を用い、大口径のルチル単結晶の育成を試みた。この方法においては、融液が直接ヒーターで加熱されるため、融液全体がほぼ均等に加熱され固液界面がほぼ平坦となり、ヒーターに対して融液が濡れるため融液が落下しにくくなるなどの長所があり、約30mm径の単結晶が育成できた。この方法は、底部に小孔をのあるるつぼを高周波加熱し、融液を安定して浮遊させることを最大の特長としている。これにより孔から流出した融液はるつぼ底を濡らし、るつぼ径とほぼ同等の口径の結晶が育成可能となった。さらに、るつぼの寸法、孔の径、保温剤の材質および高周波コイルの形状・寸法等において、育成状況と的確に対比させて最適のものを設計し、回転数、育成速度、雰囲気についても同様に最適条件を検討する。 ヒーター挿入型浮遊帯溶融法によるルチル単結晶の大口径化は、ルチルに限らず、他の方法では育成が困難な物質にも応用可能であり、今後ますます多様化する単結晶材料へのニーズに応え得るものと考えられる。
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