研究概要 |
層状化合物H_4Nb_6O_<17>、H_2Ti_4O_9、HCaNb_3O_<10>,HNbWO_6およびHTaWO_6の層間へのCdS,Fe_2O_3,TiO_2および遷移金属酸化物等の半導体の包接法を確立した。層間に包接された半導体はいずれも厚み1nm以下の超微粒子であったが、量子サイズ効果に基づくバンドギャップの増加はほとんど認められなかった。層間包接半導体は包接していないバルク半導体より優れた光触媒活性を有しており、半導体粒子の凝集あるい結晶欠陥の増加に基づく活性の径時劣化が無く、長時間にわたり初期活性を保持できることがわかった。CdS、Fe_2O_3および遷移金属酸化物を包接した試料は可視光照射下で光触媒活性を示し、特にCuOやNiOを包接したものが優れた水素生成活性を示した。一方、H_4Nb_6O_<17>およびH_2Ti_4O_9層間にTiO_2を包接したものは、3eV以上のエネルギーの光照射によって水を完全光分解できた。CdSとTiO_2を包接した試料はいずれも375nmのレーザー光照射により蛍光を発生することを見い出し、それらの蛍光減衰曲線をナノ秒オーダーの時間分解で測定することにより、層間のCdSとTiO_2からホスト層状化合物H_4Nb_6O_<17>およびH_2Ti_4O_9へ10^6および10^8/secオーダーの高速で電子移動が進行していることを明らかにした。
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