研究課題/領域番号 |
08455407
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
無機工業化学
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
塗師 幸夫 岐阜大学, 工学部, 教授 (60021581)
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研究分担者 |
櫻田 修 岐阜大学, 工学部, 助手 (10235228)
橋場 稔 岐阜大学, 工学部, 教授 (90021617)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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キーワード | 固体反応 / スピネル / 格子欠陥 / 酸素欠陥 / 工程因子 / 粉体反応 / つらら状スピネル / 緻密化 |
研究概要 |
一般にスピネル生成反応は、陽イオンに比べ酸素イオンの径が大きく移動が遅いので、陽イオンのみが相互拡散するWagner機構が知られている。筆者らも、緻密なAl_2O_3を原料にしたAl_2O_3-ZnO系ZnAl_2O_4生成反応でWagner機構の成立を確認した。一方、微粒Al_2O_3原料を使用すると微粒Al_2O_3充填層をZnO蒸気成分が一方向的に拡散、反応してスピネル生成し、この反応は加熱雰囲気の酸素により促進される。この反応形式を筆者は集合体反応模型と名付けた。 筆者は、本プロジェクトにおける研究において、微粒Al_2O_3-緻密な粗粒MgO系でのMgA1_2O_4生成反応においても集合体反応模型に基づいたスピネル生成反応が存在し、また、MgOのモル分率0.5以下、加熱温度1250℃以上とした場合、第一段階として、はじめ反応層が微粒Al_2O_3側に向かって集合体反応により一方向的に成長、第二段階、反応時間が10hrを越えると、スピネル層と粗粒MgOの間に空隙が広がり、MgOに近い側のスピネル層が緻密化し、あらたに緻密化したスピネル層の生成を確認した。第三段階、反応時間が20hrを越えると、この緻密化したスピネル層を核とし粗粒MgOとの空隙中をMgO側に向かってつらら状のスピネルが成長した。このつらら状スピネルの発生はX_<MgO>=0.6付近の反応組成の粉体混合物のMgO結晶表面から生成する。その成長がつらら状スピネルの成長と同様、加熱雰囲気の酸素分圧の増加により促進されることを明らかにした。いづれも酸素イオンが関与し、wagner模型と異なる機構により生成した多様なスピネルの形態の一種と考えられる。
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