永続的ホールバーニングを利用した光メモリーは波長多重性を利用できるので大容量性をもち、実用化が期待されている。実用化の最大の課題はその温度特性であり、室温動作材料の開発が待たれている。我々は、これまでにガラス中にドープしたSm^<2+>イオンが室温でホールバーニングをおこすことを見つけた。しかし、そのホールバーングに要する時間は長く、また、メモリー量の尺度となるホールの幅も広いといった解決すべき問題が残されていた。そこで本研究ではそれらを解決すべく実験を行い、次の事を明らかにした。 1.酸化物ガラスのホールはフッ化物ガラスのホールより広く、また、Al_2O_3の導入はホールの幅を1cm^<-1>以下にすることが分かった。したがって、Sm^<2+>の適切な母体組成はNa_2-Al_2O_3-B_2O_3系である。 2.ガラスにX線を照射するとホールをあけるのに要する時間が短くなった。これにより、これまで数秒かかっていたホールバーニング時間が数10ミリ秒まで短縮できることが分かった。 3.これらのホールに対応して、ホログラムの画像を記録するために、ホログラム装置の構築を行った。現在、ホログラムの実験結果を整理しているが、室温でもホログラム記録ができる可能性がある。
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