永続的ホールバーニングを利用した光メモリーは波長多重性を利用できるので大容量性をもち、実用化が期待されている。実用化の最大の課題はその温度特性であり、室温動作材料の開発が待たれている。我々は、これまでにガラス中のドープしたSm^<2+>イオンが室温でホールバーニングをおこすことを見つけた。そのホールバーニングに要する時間は長く、また、メモリー量の尺度となるホールの幅も広いといった解決すべき問題が残されていた。そこで平成8年度に引き続き、平成9年度ではそれらを解決すべく実験を行い、次の事を明らかにした。 1.酸化物ガラスのホールはフッ化物ガラスのホールより狭く、また、Al_2O_3の導入はホールの幅を1cm^<-1>以下にすることが分かった。したがって、Sm^2の適切な母体組成はNa_2-Al_2O_3-B_2O_3系である。さらに、種々の希土類イオンを用いて検討した結果、Eu^<2+>をドープしたガラスでも室温でホールが形成されることが分かった。Eu^<2+>をドープしたガラスは作製がより簡易なことより、実用化に適していると思われる。 2.ホログラムの画像を記録するために、ホログラム装置の構築を行い、これらのガラスに波長多重のホールを開けることにより、ホログラム記録をする事が出来、当初の目的を完成することが出来た。
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