研究課題/領域番号 |
08455417
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
平尾 俊一 大阪大学, 工学部, 教授 (90116088)
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研究分担者 |
森内 敏之 大阪大学, 工学部, 助手 (60281119)
小川 昭弥 大阪大学, 工学部, 助教授 (30183031)
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キーワード | オキソバナジウム / レドックス / 酸化反応 / 有機アルミニウム化合物 / アート錯体 / カップリング反応 |
研究概要 |
遷移金属錯体の一電子レドックスプロセスを用い、有機金属化合物を一電子酸化または一電子還元すれば、金属上の電子状態の変化に基づいた反応挙動が予想され、従来にない新規合成反応が可能になる。本年度は、前年度までの結果をふまえ、一電子酸化能力を有するオキソバナジウム(V)化合物による有機アルミニウム化合物の酸化に焦点をあて、選択的炭素-炭素結合形成手法を開発した。 1)アルケニルアルミニウム化合物をアルキニルリチウムでアート化することで得られた有機アルミニウム化合物をオキソバナジウム酸化剤で酸化したところ、酸化的カップリング反応が効率的に進行し、エンインが収率よく得られた。本手法は一般性のある骨格形成法であることが判明した。 2)アルケニルアルミニウム化合物の代わりにアリールアルミニウム化合物を用いたところ、対応するアート錯体の酸化的カップリング反応も同様に進行することが観測された。 3)アリールアルミニウム化合物をアート錯体に変換せず、オキソバナジウム化合物で酸化したところ。アルキル基が導入されることが明らかになった。オキソバナジウム化合物の立体的嵩高さやレドックスポテンシャルの違いが、結合形成に大きく反映することが判明した。 反応機構の詳細は必ずしも解明されたわけではないが、上記の反応はいずれもレドックスで制御されている。形式的に有機典型金属化合物における還元的脱離が誘起されたと考えられる。有機合成化学的にも非常に有用な手法である。
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