研究課題/領域番号 |
08455418
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
吉田 勝平 高知大学, 理学部, 教授 (30036595)
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研究分担者 |
渡辺 茂 高知大学, 理学部, 助教授 (70253333)
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キーワード | 蛍光性ホスト / 蛍光二色性色素 / ホストーゲスト錯体 / クラスレート包接結晶 / 固体蛍光 / 蛍光プローブ / 分子認識 / 蛍光スイッチング |
研究概要 |
色素分子を多機能化すれば新たな機能の発現が期待される。本研究では、数種の新規な多機能型蛍光性色素および分子システムを設計し、その合成と外的刺激や環境場の変動に対する蛍光応答性(蛍光スイッチング機能)を評価することを目的として研究を行い、以下の結果を得た。 1.分子配向の制御による蛍光スイッチング:蛍光性と二色性を併せ持つ新規な蛍光二色性色素を分子設計し、液晶用蛍光スイッチング色素としての特性を示すことを明らかにした。また、これらの色素の中に、結晶状態では様々な有機溶媒分子をゲストとして包接する機能を有するものがあることを見い出した。そこで、様々なゲストを包接させたホストーゲスト錯体結晶を合成し、色素の個体蛍光発光性に及ぼす結晶環境場の影響について調べた。その結果、包接現象を利用して蛍光発行性を大きく改善することができることがわかった。 2.電気的制御によるカラー・蛍光スイッチング:電気可逆的酸化・還元が可能なキノイド構造を組み込んだ蛍光性色素を分子設計した。分光電気化学測定により、この色素が電場変調によるカラー・蛍光スイッチングが可能な系であることを明らかにした。 3.蛍光性レセプターのイオン認識に伴う蛍光スイッチング:(1)蛍光発光母体であるイミダゾアントラキノンに、アザクラウン環を共役的およびに非共役的に連結させた蛍光性レセプターを分子設計した。これらのレセプターは、金属イオンのサイズと電荷を適確に認識し、蛍光増大でその情報を発信する機能を有することを明らかにした。(2)蛍光発光母体であるルテニウム錯体に分子認識部位を付与することによって、生体内重要分子(リン酸イオン、カルボン酸イオン)を選択的・特異的に認識できる分子情報プローブを分子設計した。合成したプローブが、イオン種との会合体形成にともない光学的特性を変化させ、各種情報を発信できることを明らかにした。
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