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1996 年度 実績報告書

有用なグリコシダーゼ阻害物質の合成と開発

研究課題

研究課題/領域番号 08455419
研究種目

基盤研究(B)

研究機関早稲田大学

研究代表者

竜田 邦明  早稲田大学, 理工学研究科, 教授 (40051627)

キーワード酵素阻害 / 天然有機化合物 / 生理活性物質 / 全合成 / 工業的合成 / 糖質 / 抗生物質 / 糖鎖工学
研究概要

グリコシダーゼ阻害物質は生体機能の解明に役立つばかりではなく、糖鎖工学の発展にも寄与するものである。本年度の第一の目的は、N-アセチル-β-D-グルコサミニダーゼの阻害物質であるナグスタチンの工業的合成法を確立することにある。第二の目的は、殺ダニ物質グアラマイシンの工業的合成法を確立することにある。まず、安価な糖質を不斉炭素源として用い、それぞれの含窒素糖質部分を合成して後、必要な官能基の導入および立体配置の整備を行って目的の化合物を合成した。
1) ナグスタチンの合成:L-リボフラノースを原料にして、イミダゾールの分子間求核置換反応により、L-アロ型およびアルトロ型中間体を合成した。これらの相当するスルホニル誘導体のイミダゾール部分の分子内求核置換反応により、ナグスタチンの基本骨格を合成した後、側鎖部分の導入を行い、ナグスタチンの全合成を完了した。工業的合成法としても利用できる。即ち、モノブロモ体をアリル誘導体に導き、ジヒドロキシル化を行った後、酢酸残基を導入し、エステル体を得た。このアジド化を行い、立体配置の保持あるいは反転を伴って、同一のアジド体に導いた。これは、N-アセチル体を経て、天然物と完全に一致するナグスタチンに導かれた。
2) グアラマイシンの合成:まず、L-グルカ-ルからグアラマイシンのアグリコン部分が合成された。即ち、そのアジド基を有するアルデヒドにWittig反応して得られるシス-オレフィンのシス-ジヒドロキシ化により、目的の中間体トリオールを得た。これは、直鎖のアルコールの分子内環化反応を経て、ピロリジン誘導体に導かれ、さらに、相当するδ-ラクタムのビス-ベンジリデン誘導体(グリコシルアクセプター)に導かれた。一方、その二糖類部分は、メチルD-ガラクトシドと臭化D-グロサミニル誘導体から合成された。これと上述のアクセプターとのグリコシル化は、ほとんど定量的に目的のα-グリコシド体を与え、最終的にグアラマイシンを与えた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Kuniaki Tatsuta: "Synthesis and Glycosidase Inhibitory Activities of Nagstatin Triazole Analogs." J.Antibit.49・8. 836-838 (1996)

  • [文献書誌] Kuniaki Tatsuta: "Total synthesis and chemical design of useful glycosidase inhibitors." Pure & Appl.Chem.68・6. 1341-1346 (1996)

  • [文献書誌] Kuniaki Tatsuta: "Total Synthesis of Deacetyl-caloporoside,a Novel Inhibitor of the GABAA Receptor Ion Channel." Tetrahedoron Lett.37・14. 2453-2456 (1996)

  • [文献書誌] Kuniaki Tatsuta: "Synthesis and Biological Evaluation of Caloporoside Analogs." J.Antibiot.49・7. 713-715 (1996)

  • [文献書誌] Kuniaki Tatsuta: "The First Toatl Synthesis of Calbistrin A,a Microbial Product Possessing Multiple Bioactivities." Tetrahedoron Lett.38・4. 583-586 (1997)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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