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1996 年度 実績報告書

光学活性イミドをプロトン源とするエノラート類の不斉プロトン化反応

研究課題

研究課題/領域番号 08455423
研究種目

基盤研究(B)

研究機関名古屋大学

研究代表者

柳澤 章  名古屋大学, 工学部, 助教授 (60183117)

キーワード不斉プロトン化反応 / 光学活性イミド / エナンチオ選択性 / エノラート / プロトン化剤 / 2-オキサゾリン / Kempのトリカルボン酸 / 2-アルキルシクロアルカノン
研究概要

エノラート類の不斉プロトン化反応は、光学活性なα-置換カルボニル化合物の効率的合成手法として、ここ10数年にわたり国内外で精力的な研究が展開されてきた。これまでに数多くのキラルなプロトン化剤を用いた研究が報告されているが、高いエナンチオ選択性の獲得に成功した例の多くが、限られた基質のみ有効である場合が多く、一般性に富んだキラルなプロトン化剤はこれまでのところ合成されていない。本研究はこれらの問題点を克服した真に実用的な不斉プロトン化反応の開拓を目的とする。具体的には、同一反応剤で基質に対する広い一般性を持ち、100%の不斉収率が期待できる新しいプロトン化剤の開発を目指す。
不斉プロトン化反応の開発にあたり、プロトン化剤についての予備的研究を行った結果、これまでにKempのトリカルボン酸から誘導した、分子内にキラルな2-オキサゾリンを持つイミド化合物が2-アルキルシクロアルカノン類のエノラートのプロトン化剤として効果的であることがわかった。当該年度は、これをさらに一般性のある反応に発展させ、実用的な高エナンチオ選択的不斉プロトン化反応として確立するために、このプロトン化剤について詳細に検討を行った。まず、キラル部分に関して、2-オキサゾリンを持つイミド化合物に加えて、他のヘテロ官能基を持つイミド化合物についてもスクリーニングを行ったところ、光学活性シクロヘキシルエチルアミンから誘導したキラルアミド基を持つイミド化合物が、2-メチルシクロヘキサノンのリチウムエノラートのプロトン化反応において、最も高いエナンチオ選択性を与えることがわかった。さらに、Kempのトリカルボン酸由来のシクロヘキサン環部分について検討したところ、そのアルキル置換基の大きさによってエナンチオ選択性が大きく変化することを見い出した。この置換基効果については、次年度も引き続き検討する予定である。

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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