本研究では、アミノ酸配列(一次構造)と高次構造が既知である酵素をタンパク質試料として、広いイオン強度下で高分子電解質-酵素系複合体を形成させ、レーザー光散乱法とバイオアッセイ(酵素活性の測定)法を組み合わせて、“分子内複合体の構造"を明らかにすることを目的とする。そこで、本年度は、(1)ライソザイムを使用し、イオン強度、pH、高分子電解質の種類、高分子電解質と酵素水溶液の濃度、両水溶液の混合割合と混合方法を変化させて、複合体の形成過程を光散乱法により検討した。さらに、(2)ヒト血清アルブミンを用いて、ポリエチレングリコールとの複合体形成を動的レーザー光散乱法及び電気電気泳動光散乱法を用いて行った。以上の実験結果より、(3)複合体の形成機構と構造を明らかにし、複合体の形成にともなう酵素活性の変化を検討した。
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