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1996 年度 実績報告書

ゲル化反応の解析とポリマーゲル中でのゾル-ゲル反応

研究課題

研究課題/領域番号 08455441
研究機関京都大学

研究代表者

こうじ谷 信三  京都大学, 化学研究所, 文部教官教授 (50027900)

研究分担者 村上 昌三  京都大学, 化学研究所, 教務職員 (10260621)
浦山 健治  京都大学, 化学研究所, 文部教官助手 (20263147)
キーワードゾル-ゲル法 / シリカ / ゲル-ゾル反応 / ゲル化 / エラストマー
研究概要

本研究は、ゴムマトリックス中でテトラエトキシシラン(TEOS)をゾル-ゲル反応に用いてin situ重合することによって、シリカのゴム中での分散性を向上させ、ゴムの力学的性質を高めることを目的とした。また、シリカのin situ充てんのための別のアプローチとして、アルコキシリル末端プレポリマーとTEOS系のゲル作製があり、この系のゲル化挙動の解析も本研究の目的であるが、その基礎系としてヒドロシリル化反応によるポリシロキサン網目の形成過程について研究を行った。
加硫したcis-1,4-ポリブタジエンゴムを一定温度でTEOSに所定の時間浸せき膨潤させた後、TEOSを除き、続いて触媒の水溶液を加えて一定温度で所定時間浸せきしゾル-ゲル反応を行った。そして、触媒水溶液を除去、真空乾燥してシリカ補強加硫ゴムを得た。熱重量分析によりゴム中に取り込まれたシリカ含量を、引張試験により引張強さ及び破断伸びを、透過型電子顕微鏡観察によりシリカ粒子の分散状態を調べた。触媒濃度、および浸せき温度による影響を調べた結果、触媒濃度2wt%、反応温度50摂氏の条件下で粒子径約30nmのシリカがゴムマトリックスにほぼ均一に充てんされ、高い補強効果が現れることがわかった。
シロキサン骨格の2官能性のモノマーと4官能性の架橋剤の間でのヒドロシリル化反応によるゲル形成について、ゲル化前の系中に存在するクラスターのサイズ分布をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で反応度の関数として調べた。実験結果と理論の比較より、反応の進行に伴う官能基周りの立体障害の増加のために、反応度が高くなると高度の枝分かれ反応が起こりにくくなり、かさ高いクラスターが互いに線状に連結される反応が優先して起こることが示唆された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 池田裕子: "熱可塑性エラストマーの分子設計" 高分子. 45. 136-140 (1996)

  • [文献書誌] 浦山健治: "Crossover of the concentration dependence of swelling and elastic properties for polysiloxane networks crosslinked in solution" J.Chem.Phys.104(9). 3352-3359 (1996)

  • [文献書誌] こうじ谷信三: "GPC Analysis of Polymer Network Formation : 1.Bifunctional Siloxane Monomer/Crosslinker System" Bull.Chem.Soc.Jpn.69. 565-574 (1996)

  • [文献書誌] こうじ谷信三: "ゾル-ゲル法によるブタジエンゴムのin situ シリカ補強に対する反応条件の検討" 日本ゴム協会誌. 69. 442-446 (1996)

  • [文献書誌] 浦山健治: "Elastic modulus and equilibrium swelling of networks crosslinked by end-linking oligodimethylsiloxane at solution state" J.Chem.Phys.105(11). 4833-4840 (1996)

  • [文献書誌] 塚原安久: "Prepartion and properties of epoxidized natural rubber/poly (ε-caprolactone) self-vulcanizable blends" J.Mater.Chem.6(12). 1865-1870 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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