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1997 年度 実績報告書

バクテリアセルロースの合成と機能化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 08455445
研究機関北海道大学

研究代表者

高井 光男  北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50002019)

研究分担者 田島 健次  北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (00271643)
藤原 政司  北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30229075)
柴 肇一  北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (60241303)
惠良田 知樹  北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30213581)
棟方 正信  北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50261326)
キーワードバクテリアセルロース / 水溶性多糖 / BCコンポジット / 収量増加 / 生分解性制御 / 回転円板型反応器 / 動的ヤング率
研究概要

本研究では高い機械的強度と生分解性を合わせ持った新規の機能性バクテリアセルロース(BC)の合成を目的として、種々の水溶性高分子(WSP)を含む培地中で酢酸菌を培養した。メチルセルロース(MC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリエチレングリコール(PEG)を含む培地中で酢酸菌を培養することによってこれらを含んだBC、すなわちBCコンポジット(BCC)を合成した。
MCを添加した場合のBCC収量は最大でコントロール(NBC)の約1.5倍、CMCのBCCについては約1.8倍、PEGについてはNBCとほぼ同じであった。元素分析におけるC%から算出した水溶性多糖の含有率はCMCのBCCで約45wt%、MCのそれではCMCの約半分(約20wt%)であった。BCC中におけるCMCの含有量は培養時間とともに増加し、培養5日目以降で一定値となった。通常、BCの合成は気液の界面で起こり、新しいBCは既に生成したBCの上に作られる。つまりCMC分子が新しくできたセルロースと結合するためには既に合成されたBCCの中を拡散して行かなければならず、培養時間の経過と共にCMCの含有量が一定値となったと考えられる。
BCCの生分解性試験をセルラーゼ酵素標品と土壌埋め込みにより行った。7日間培養BCCのセルラーゼによる分解性試験の結果、BCC(CMC)は6時間で完全に分解され、BCC(MC)は48時間でも20-30%の分解性しか示さなかった。これはCMCとMCのセルラーゼに対する基質特異性によるものと考えられる。また、土壌分解試験の結果、NBC、BCC(CMC)両者とも4週間で完全に分解され、BCC(MC)は僅かに形態を留めていた。この様に分解性の異なる水溶性高分子でBCを複合化することにより生分解性の異なるBCCの調製が可能である。
回転円板型反応器によるBC合成の実験結果をまとめて検討した結果、以下の結論に達した。1)BCを効率的に得るための最適培養条件は、10rpm,2/min、円板枚数10枚であった。2)動的ヤング率の大きいセルロースを得るための最適培養条件は、30rpm,2/minであった。3)pHコントロールは行わない方が良かった。4)液体培地に脱イオン水から蒸留水を用いるとセルロース収量、動的ヤング率共に増加した。5)酵母エキス添加時はグルコースを別滅菌することが望ましく、この時にもセルロース収量、動的ヤング率共に増加した。6)セルラーゼ(Onozuka R-10)添加時には、セルロース収量、動的ヤング率共に最も著しく増大した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] K.Tajima, et al.: "Synthesis of tow water-soluble polysaccharide by Acetobacter sp.NCI1005" Macromol.Symp.120. 19-28 (1997)

  • [文献書誌] 恵良田 知樹, 他: "天然セルロースの13C CP/MAS NMRスペクトルの完全帰属" Cellulose communications. 4(3). 128-131 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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