研究課題/領域番号 |
08455453
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
堀井 文敬 京都大学, 化学研究所, 教授 (70124758)
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研究分担者 |
平井 諒子 京都大学, 化学研究所, 教務職員 (20156623)
梶 弘典 京都大学, 化学研究所, 助手 (30263148)
綱島 良祐 京都大学, 化学研究所, 助教授 (30089130)
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キーワード | 定速分子運動 / フェノキシ樹脂 / ポリ(4-メチルペンテン-1) / 多次元固体NMR / 双極子スペクトル / Switching Angle Sample Spinning法 / 超低速Magic Angle Spinning法 |
研究概要 |
以下、平成8年度の進展状況を記す。 (1)超低速Magic Angle Spinning(USMAS)法を開発した。従来のNMRでは、1000Hz以下の低速回転は不安定であったが、Air Flow Restrictorの開発により40±1Hzという安定なUSMASを可能にした。このUSMASを利用したMagic Angle Turning法によりスーパーエンプラであるフェノキシ樹脂の化学シフト異方性(CSA)を現在測定中である。 (2)サイドバンド法による^<13>C-^1H双極子スペクトル測定法を開発した。WISEパルスシーケンスの展開期において^1H-^1Hホモ核のデカップリングを行うとともにスピンエコーをとることにより、^1H-^1H双極子相互作用と^<13>CのCSAを消去する。一方、検出期においてはTOSSパルスシーケンスを組み込むことにより、F2軸方向のサイドバンドを消去した。我々は、この新しい二次元^<13>C-^1H双極子スペクトル測定パルスシーケンスをDISBAND(^<13>C-^1H Dipolar Spinning Sidebands)と名づけた。このパルスシーケンスの開発により、^<13>C-^1H双極子スペクトルの測定が可能となった。現在、さらにSASSプローブを用い、試料の回転角をDISBANDの展開期ではoff-MASに、検出期ではMASに設定することにより、^<13>C-^1H双極子パウダーパターンの測定を試みつつある。この方法ではoff-MASで測定するためDISBANDでみられた、F1軸のスペクトル幅の不足を解消できるとともに、サイドバンドではなくパウダーパターンが得られるため、より精密な分子運動解析が行える、という利点がある。次年度は、この方法を用い、フェノキシ樹脂およびポリ(4-メチルペンテン-1の分子運動を詳細に解析する予定である。
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