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1997 年度 実績報告書

先端固体NMR法による高分子の低速分子運動の精密解析

研究課題

研究課題/領域番号 08455453
研究機関京都大学

研究代表者

堀井 文敬  京都大学, 化学研究所, 教授 (70124758)

研究分担者 平井 諒子  京都大学, 化学研究所, 教務職員 (20156623)
梶 弘典  京都大学, 化学研究所, 助手 (30263148)
綱島 良祐  京都大学, 化学研究所, 助教授 (30089130)
キーワード固体NMR / ガラス状高分子 / 分子運動 / 化学シフトの異方性 / 二次元NMR
研究概要

フェノキシ樹脂のCP/MAS^<13>CNMRスペクトルおよびで^<13>C化学シフトの異方性(CSA)を一次元および二次元NMR法による広い温度領域にわたって測定する方法を開発し、ガラス状態における低速分子運動の解析法の確立を行った。試料はフェノキシ樹脂(ユニオンカーバイト社製)を160℃でホットプレス、氷水中に急冷したフィルムである。
CP/MAS^<13>CNMRスペクトルの測定では、γ緩和過程がフェニレン環のCH炭素の共鳴線のdoubletからsingletへの変化として観測できること、この過程を2サイト交換モデルにより解析することにより運動の周波数κ_γを決定できることを明らかにした。
一方、T_g=87℃の周辺のα緩和過程は、各共鳴線の顕著なmotional broadening並びにmotional narrowingとして観測できること、この線幅の温度依存性を単純な分子運動モデルにより解析することによりこの運動の周波数κ_αを決定できることを明らかにした。また、二次元交換^<13>C CP/MASスペクトルの解析法を開発し、上記一次元法では観測不可能な数Hz以下の低速運動をいずれの緩和過程についても精密に解析できることを明らかにした。
各緩和過程の分子運動のモードを解析するため、二次元switching angle sample spinning(SASS)法または二次元magic angle turning(MAT)法により各炭素のCSAを種々の温度で測定する方法を確立した。また、フェニレン環のCH炭素のCSAをα緩和およびγ緩和領域で、それぞれ8サイトおよび2サイト交換モデルにより解析する方法を開発した。以上本来研究で開発並びに確立された方法は、ポリアリレート、ポリスルホンなど種々のガラス状高分子の低速分子運動の解析に応用可能であり、今後の発展が期待される。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Kazuhiro Kuwabara: "Solid-State ^<13>CNMR Analyses of the Crystalline-Noncrystalline Structure for Metallocene-Catalyzed Linear Low-Density Polyethylene" Macromolecules. 30巻24号. 7516-7521 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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