室温で液体状である二種類のポリマーを混合し、海島構造を有する非相容性ポリマーブレンドを調製した。これを用いて瞬間的な階段状のせん断大変形を与えた後の液滴(島相)の形状変化および形状回復時間を直接光学顕微鏡を用いて観察し、これらの液滴の半径、せん断ひずみ量、および各成分レオロジー的性質との関係を調べた。また、得られた形状回復時間がブレンド液体に特有の長時間側のレオロジー的性質とどのような関係を持つかについて検討した。 上で得られた実験結果を基に、実際にエンジニアリングプラスチック系のブレンド(ポリカーボネート/ポリスチレン)を調製し、ブレンド融体のレオロジー的性質、変形による相構造の変化および二相の界面エネルギーの影響について検討した。 これとは別にポリアミド/ポリオレフィン系のブレンド固体のトライボロジー(摩擦・摩耗特性)について検討を行い、エンジニアリングプラスチック系の摩擦・摩耗特性がブレンドの組成のみならず、相構造、各相の結晶状態、二相界面の接着性に強く依存し、それらの因子に摩耗メカニズムが強く影響されることを明らかにした。
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