燃焼と衝撃波や壁面摩擦等による損失が同程度に重要なスクラムジェットの超音速燃焼器における混合/燃焼性能について、エンジン全体の推力性能の観点から評価する方法を、詳細データの入手が可能な既存実験結果に適用し、飛行マッハ数5〜7における2つの燃焼器の7つの基本的燃料噴射パターンの性能データを得た。その結果、従来の燃焼効率のみを基準とする必要燃焼器長さのほぼ半分の長さから先では、燃焼の進行と損失増加がほぼ相殺して推力性能は頭打ちとなり、エンジン質量が増加するだけであることが分かった。また、この蛍光は飛行マッハ数が高くなるほど顕著になることが予測された。 実験においては、吐出圧0.45MPaの圧縮機を整備した。また、既存の送風機および電熱式空気加熱器を用いて、高温低速流中にマッハ数0.3〜1.8の非加熱噴流を吹き出す装置を作成し、適性膨張した噴流と周囲流の混合に対する速度比、密度比、対流マッハ数の影響について調べた。この装置の実験条件はスクラムジェットの燃料噴射条件と比べて、密度比は逆転しているが、速度比と対流マッハ数は同程度である。実験の結果、噴流のコア長さは圧縮性混合層の相関式で整理できること、発達領域の噴流中心速度は噴流方向距離の逆数に比例して減衰すること、今回の実験条件では噴流半値幅に圧縮性の影響が見られないこと等が分かった。また、噴流の出口圧が周囲流と一致せず衝撃波や膨張波が発生する不足膨張および過膨張状態でも実験を行い、適性膨張の場合と比較するための、適切な有効出口状態について検討した。
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