研究概要 |
前年度の本研究の成果であるスクラムジェットの超音速燃焼器における混合/燃焼性能の評価方法を、第13回エア-ブリージングエンジン国際シンポジエム(米国テネシー州チャタヌガ市,平成9年9月7日〜12日)で発表した。 実験においては、前年度整備した吐出圧4.5MPaの圧縮機から供給される空気を貯めてブロ-ダウン型の装置に供給するため気蓄器を製作した。温室又は高温の低速空気流中にマッハ数0.3〜2.0の加熱してない非旋回空気噴流を吹き出し混合を調べた実験結果から、噴流の混合における圧縮性の効果は,ポテンシャル・コア長さの増加だけでなく,ポテンシャル・コアがなくなる位置と噴流半値幅が増大しはじめる位置の間に差が見られ,対流マッハ数とともにその差が拡がることを明らかにした。噴流半値幅の増加率は適正膨張の場合と比較して不足膨張の場合には増大し,過膨張状態には減少することが分かった。ノズルの亜音速部に30°,45°,60°の旋回羽根を取り付け,ノズル出口のスワール数を約0.01,0.02,0.07としたマッハ2.0の旋回噴流を静止大気中に噴出して混合状態を調べた。適正膨張状態では、スワール数の増大に応じてポテンシャルコア長さが減少するとともに半値幅の増加率が増加し、混合が促進されることが分かった。過と衝撃波の干渉を調べるために過膨張状態とした場合には、噴流半値幅の増加率がスワール数の低い範囲で非旋回噴流と同様に減少するが、スワール数約0.07の場合には逆に適正膨張の場合よりも増大し、混合がさらに促進されることが分かった。
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