研究概要 |
作動時間の限られたブローダウン型の実験装置で効率的に圧力測定を行うために、圧力走査器を導入し多点ピトー管レーキでピトー圧分布を測定した。 噴流自体を主流方向の渦とするために、収縮部に螺旋角0°,30゚,45゚の旋回羽根を取り付けた先細ノズルおよび先細末広ノズル(設計マッハ数2)を用いて、マッハ数0.3〜2.0(対流マッハ数0.16〜0.87)、スワール数0〜0.25の適正膨張噴流を静止大気中に吹き出し、中心速度の減衰率と速度半値幅の増加率を調べた。ポテンシャルコア領域では旋回強さの増大に伴って、ポテンシャルコア長さが減少した。この結果は、超音速気流中に超音速旋回噴流を噴出したNaughton等の実験(対流マッハ数0.7〜1.9,スワール数0-0.11)の結果と良い一致を示した。一方、発達領域では中心速度減衰率と半値幅増加率は旋回によりやや増大するが、その程度はChigerの低速流に対する相関式より低かった。 渦と衝撃波あるいは膨張波との干渉が混合に及ぼす影響を調べるために、上記の旋回羽根付ノズルを非適正膨張状態で作動させ、中心速度減衰率と速度半値幅増加率を調べた。先細末広ノズルを用いた場合、不足膨張状態では混合の進行は低下したが、過膨張状態では大気圧に対するノズル出口圧力比が0.75までは混合が促進され、出口圧力比0.5になると適正膨張と同程度になった。旋回の影響は出口圧力比が0.75の場合にのみ顕著に見られ、むしろ旋回のない方が混合が促進された。 さらに、隣接する旋回あるいは非旋回噴流の相互干渉が混合に与える影響を調べるために、空気供給部の交換によって旋回の向きと強度を変えることのできる2個の末広先細ノズルを出口直径の1.7倍の間隔で並べた噴射器を作成し、流れ場の可視化観察を行い、噴射孔のならんだ方向に垂直な方向の混合が旋回により促進されることが分かった。
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