| 研究概要 |
当初の計画に従い、本年度は実験システムの構築及び予備実験を中心に研究を行った。
まず、現有の10Ton Servo Control疲労試験機並びに高精度コンプライアンス測定装置を用い、波形発生並びに各種データの計測及び解析プログラム等のソフトウェアを作成することにより、実験システムを構築した。これにより、伝播中の疲労き裂先端における歪み変化(1Cycleにおける荷量-歪みヒステリシスカーブ)を従来にない高精度で、かつ自動的(データ取得に際し試験速度を落とす必要がない)に測定し得る実験システムを構築する事に成功した。
次に予備実験を行い、試験片サイズ,き裂先端歪み変化取得用の歪みゲージ貼付位置並びに貼付間隔,高精度なき裂長さ自動計測の為の手法等について検討する事により、疲労き裂伝播メカニズム解明へ向けての効率的かつ経済的なシリーズ試験を計画し、来年度の本格的な実験に備えた。
また、本年度は計画した上記シリーズ試験の一部を実行すると共に、随時過去の文献,従来データの収集,整理等を平行して行い、疲労き裂伝播メカニズムとりわけ、伝播中の疲労き裂におけるき裂開閉口挙動並びに疲労き裂伝播速度を律するパラメータに関する現状の研究動向とその問題点を把握する事により、今回構築した実験システムにより取得可能になった、伝播中の疲労き裂先端における歪み変化の従来にない高精度測定データから、疲労き裂伝播メカニズム解明へ向けての有用な知見を引き出す為の効果的な解析手近についての検討を行った。
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