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新形式高速船、レーシングヨット等の進行浮体は排水量型単胴船という従来の概念のみでは性能をつかみきれない種類の浮体であり、流体力学的要素として静的浮力を有する排水量型浮体とともに水中の揚力体の影響や胴間流の影響を考慮しなければならない。本研究では多胴船とセーリングヨット形状に的を絞り数値解析のコードを開発する。その際各流体力学的要素を着脱できる模型を用意して実験的に各流体力学的現象を分離して捉えることにより、数値解析のコードへ反映させていくという手法を用いる。
本年度は昨年度までに開発したMorino法によるセーリングヨット用コードをさらに改良するとともに、高速船型用のコードについても改良を進めた。特に高速船型用のコードについては自由表面条件の非線形性を考慮できるように改良を進め、2次の項まで考慮することにより浮体まわりの造波現象をより精度よくシミュレートできるようになった。これらのコードについては自由表面条件のさらに高次の項の影響、船体の姿勢の影響等を考慮できるように改良を進めつつある。またRankine source法に基づく多胴船型用のコードについては、実用的な三胴船型形状に関する数値計算を実施し、各胴の配置が性能に及ぼす影響を検討することができるようになりつつある。模型実験については没水体要素を着脱できる模型についてその位置を変化させて性能の変化を検討する基礎的実験等を実施し、今後の数値計算に基づく検討用のデータを得た。
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