製作した表面間力測定装置にて、溶媒として蒸発しにくいジメチルシロキサンを用いてその各粘度がことなる、すなわち分子長の異なるシリコーン油をガラス半球の電極と平板電極の間に挟み、電界を印加して表面間力を測定した。例えば、1Vを電極間に印加し、粘度100cpのジメチルシロキサン中で電極を接近させていくと、約500nmの距離で反発力が強まり、約50nmの間、反発し、ついで、約50nmでもとにもどり、再び距離が約50nmで反発が増加する現象があらわれた。シリコーンの分子長を求めたところ約50nmであり、電界方向にシリコーン分子が配列し、圧縮、吸引が繰り返されていると推定される。マグネタイトなどの強磁性粒子をシリコーン油中に分散している系での表面間力測定用に装置の周囲にコイルを配置し、電界と磁界を平行に同時にガラス半球面と平板間に作用させる方法を開発した。現在、実験を進行中である。現在の装置では水などの揮発性溶媒については測定が難しく、揮発性溶媒の測定装置については検討中である。水系については鉄マンガン重石の磁力選別を試み、微粒子の存在ずるけん濁液に粗粒子を添加すると磁着率が増大することを実験として示した。
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