本研究は3年継続して行い、2種のトピックから構成される。 一つは金を被覆した半球と平板間に液体を満たし10nm〜l000nmの表面間隔で、電界、磁界を印加してその相互作用力を測定する装置を製作、測定することである。シリコーン油に1V程度の電界を作用させ距離を接近させたところ、500nm以内で約50nmの間隔で吸引と反発力が周期的に観察された。これはシリコーン油の分子長にほぼ一致した。一方、シリコーン油中に20nm程度のスメクタイトを分散させたER流体で同様に電界を印加して測定したところ、100nmの周期で吸引と反発が生じた。これはスメクタイトが2次粒子を形成している大きさと推定された。半球と平板の周囲にコイルを配置した装置は電界と同時に磁界を平行に作用させることができる。シリコーン油ベース磁性流体で観察中である。 もう一つの研究は、粒子の凝集と分散を利用した選別である。-5ミクロンの微細な錫石に同種の粗粒の粒子あるいは他の粗粒の方鉛鉱、石英を混合して浮選すると、微細な錫石の回収率は50%から95%に増加させることができた。また、-5ミクロンの微細な鉄マンガン重石に粗粒の磁鉄鉱を混合して磁力選別を行うと、実収率は50%から90%に増大した。 水中での微細表面間力と凝集分散を利用した選別との関係は今後、さらに検討をする予定である。
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