研究課題/領域番号 |
08455482
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
浅野 和俊 山形大学, 工学部, 教授 (30007182)
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研究分担者 |
八塚 京子 山形大学, 工学部, 助教授 (60210283)
東山 禎夫 山形大学, 工学部, 教授 (50144209)
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キーワード | 資源再利用 / プラスチック / 環境 / 静電気 / 帯電 / 導電性粒子 / 絶縁液体 / 石油 |
研究概要 |
本研究では、プラスチックゴミを熱分解により元の石油に転換する過程で混入した、金属や無機物の固形異物を静電滴に除去する方法の確立を目的としている。ゴミから転換された石油を絶縁性液体のシリコーン油で模擬し、不純物にはカーボンを想定して直径1〜2mmのカーボンおよびガラス質のグラッシーカーボン粒子、スチール粒子を用いて、平行平板電極間の粒子の電界による帯電及び運動を比較した。印加電圧は直流電圧とし、粒子運動は長焦点顕微鏡ビデオカメラで追跡した。 下部電極上の粒子は電界で誘導帯電し、静電気力が重力に打ち勝つと上部電極に向かって運動を始める。この時の電圧を静的臨界電圧と呼ぶ。上部電極に達した粒子は持っていた電荷を放電し、さらに上部電極と同極性の電荷を得て再び下部電極に向かう。静的臨界電圧を超えると粒子は往復運動を行うが、上昇運動、上部停止、下降運動、下部停止の4つの過程があることがわかった。電極上で停止している時間にはばらつきがあるが、粒子と電極間の電荷交換の緩和時間の長さが理由と考えられる。密度の低いカーボンとグラッシーカーボン粒子では上昇速度と下降速度がほぼ一致するのに対し、スチール粒子では低い電圧では下降速度が上昇速度に比べ速く、印加電圧を上げると差が小さくなり、上部・下部停止時間も短くなる。また、粒子が電極に達した時に流れる電流パルス波形を積分して求めた粒子の電荷量は印加電圧とともに増加する。粒子速度から求めた電荷量および静的臨界電圧の理論式から求めた値はほぼ一致したのに対し、電流パルスから波形から求めた値は非常に小さく、さらに詳しい検討が必要である。 通常、粒子は平行平板電極中で往復運動をするが、電極端部では電極外で弧を描く往復運動が観察された。電圧を上げると運動は大きく弧を描き、上昇運動の方がより大きな円弧を描く。電圧を下げると粒子は再び電極間に入るが、電極の中央までは入らなかった。電極端部を模擬した電極を設計・試作し、実験を行った結果から、粒子の運動を電界分布により制御する可能性が指摘された。本研究で実験的に把握された、粒子運動の静電気力による制御に必要な基礎的な知見を基に、今後さらに、電極形状を変えて様々な電界分布で粒子の電界運動および帯電量を明らかにする必要がある。
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