研究概要 |
本研究の初年度においては世界の石油・天然ガス埋蔵量と生産量に関する実績データの蒐集と整理を行った。世界で汎用されている国際石油統計(OGJ,BP統計,World Oil,U.S.のDOE/EIA統計,OPEC統計,D&M社の20th Century Petroleum Statistics)の資源評価の信憑性を比較検討し,最終信頼度の高い国別資源量データを抽出した。 また,海外の著名な石油コンサルタントとであるペトロコンサルタント社(本社スイス)から独自の石油資源評価分析報告書を購入し,これを参考にし本研究で構築する資源量データベースのシステム開発を検討中である。 一方,基礎的研究の成果としては(1)中国の石油資源・埋蔵量の国家規準を入手し翻訳後解説書を作成(2)油田の回収率と生産コストに関する世界の現況を調査した論文を石油技術協会に発表(3)油田の発見後開発・生産が進むにつれて増加するField Growth(埋蔵量成長要因)に関し,米国の過去の実績データから分析した。 環境に優しいエネルギー資源として近年注目されている天然ガスに焦点を当て,わが国の戦争から現在にかけての天然ガス資源の需給実績について分析し,2030年までの需給の超長期見通しを論じた。一方,ガスコンデンセイト層の回収率を検討するためのシミュレーションモデルを製作し,ガス井の生産挙動予測を行った。これらの研究成果は平成9年度の4月にマレーシアのクアラルンプールで開催されるアジア大洋州石油・天然ガス会議にて各々発表する。
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