研究概要 |
本年度は3次元亀裂可視化システムの開発を主目的して次の項目について研究を実施し、以下に示す成果を得た。 (1)3次元イメージ構成法に関する検討:X線CTスキャナーおよび紫外線蛍光法により得られた複数断面の画像データから3次元イメージを再構成させるソフトウェアを導入し、CT値変化を利用して3次元的な亀裂形状を分析する方法を開発した。亀裂の特徴抽出に基づいて亀裂形態とその変化を可視化するソフトウェアを開発した。 (2)X線CTスキャナーによる岩石内亀裂進展プロセスの計測:破砕片の飛散や鉄砲現象によるスキャナー装置の破損を防止するための供試体チェンバーを作成し、X線CTスキャナー装置内で静的破砕剤による岩石破砕実験を実施した。実験にはモルタルおよび花崗岩の円筒供試体(外径25cm×25cm,内径2cm)を用い、膨張圧計測とともに、一定時間置きに一回あたり3×40断面のスキャンデータを計測した。このデータをもとに,(1)で開発したソフトウェアにより亀裂を抽出し、プロセスゾーンの進展を確認した。これらの成果をもとに、現在、3次元亀裂構造の分析法について検討を加える。 (3)紫外線蛍光法による微視的亀裂分布の計測;岩石一軸圧縮試験の供試体に蛍光塗料を抽入させた後,これをスライスに切断し,赤外線照射で顕微鏡画像を計測した。そして、これらのデータを(1)で開発したソフトウェアで解析し,微視的亀裂の寸法分布および方位分布を明らかにした。
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